マンスリーマンションの料金。見るべきポイントは?
マンスリーマンションの役立つ知識をお届けする連載シリーズ。今回は「マンスリーマンションの料金の仕組み」および「選ぶときのポイント」をお話しします。
マンスリーマンションを探された方がまず初めに思うこと…。それは「料金の説明が分かりにくい」ではないでしょうか。 マンスリーマンションには主に下記の料金が設定されています。
- 賃料(日単位、月単位)
- 水道光熱費
- 清掃費
- 契約事務手数料
- 火災保険料
- 管理費
- オプション費(インターネット利用料、寝具レンタル料など)
それぞれの内容については、後ほど詳しくご説明します。
賃料のみなら比較しやすいのですが、これだけ多くの項目があると、結局トータルでどちらが安いか悩んでしまいますよね。 賃料もキャンペーンで価格が変動しますし、水道光熱費や管理費など会社によっては無料の項目もあります。
- ①料金の項目が非常に多い
- ②会社ごとにルールが統一されていない
以上の二つが、マンスリーマンションの料金を分かりにくくしている理由です。 無駄に時間をとられないように、重要な4つのポイントを抑えて物件を探しましょう。
【Point1】全て見積もりで判断する
「物件を決めるのは見積もりを見た後」と決め、気に入った部屋はとりあえず空室確認&見積もり依頼する方法です。一見面倒に見えて、結局はこれが一番早く確実だったりします。
マンスリーマンションの場合、キャンペーンによる変動だけでなく、
- ・ハイシーズンによる追加料金
- ・2人以上、ペット同居による追加料金
などが加算されることもあります。注意書きがありますが、気付けないことも多いです。
念入りに調べて検討しても、問い合わせしたら満室で入居できない、といったケースも考えられます。条件の良い物件ほど可能性は高まります。その場合、調べた時間が全て無駄になってしまいます。
気に入った物件は遠慮なく問い合わせしましょう。もしかしたら、ちょうど空室になった良い物件を紹介してもらえるかもしれませんよ。
【Point2】「物件リクエスト」を活用する
便利な問い合わせ方法に「物件リクエスト」があります。多くの会社で採用されているシステムですが、あまりご存じでない方もおられると思います。
「物件リクエスト」は、「品川駅に20分以内で着きたい」
「駅から徒歩5分以内がよい」
「できれば1日4000円以内で」
3ヶ月利用、トータルで40万円以内にしたい
といった希望を伝えれば、あとは条件にあった部屋を運営会社がリストアップし、提案してくれるサービスです。
比較する時間が大幅に短縮できるので、希望する条件が決まっていたら最初から物件リクエストで申し込んでしまうのも一つの手です。
最終的には自分で選ぶとしても、一度、不動産のプロの意見を聞いてみるのは参考になります。 忙しくて部屋探しの時間が取れない方には、特にお勧めしたいシステムです。
【Point3】「料金シミュレーション」を活用する
掲載サイトによっては「料金シミュレーション」が設置されている場合があります。 希望日数を入れれば、事務手数料・光熱費・清掃費など、全て含めた総額を自動計算してくれるので大変便利です。
直接問い合わせる前に、サッと目安を知りたい場合も重宝します。 物件詳細ページやサイトのサイドバーに設置されていることが多いので、見つけたらぜひ利用しましょう。
【Point4】「コミコミ価格(総額表示)」のサイトを利用する。
マンスリーマンションの料金は一般の方にとって分かりにくいものが多いです。そこで最初から「料金が分かりやすいサイト」に選択肢を絞る、という考えもあります。
たとえば「コミコミ価格(総額表示)」で料金表示しているサイト。清掃費は別なケースも多いですが、2つなら許容範囲でしょう。 ユーザへの分かりやすさを意識した会社だと、サービス面も優れた点が多い印象です。 そういった意味でも「コミコミ価格」を選ぶ基準の一つにするのはお勧めです。
<マンスリーマンション 各料金の説明>
最後に、マンスリーマンションの各料金についてそれぞれ説明します。
1、賃料
マンスリーマンションの利用にかかる賃料です。1日当たりの料金が掲載されてるケースが多いですが、1ヶ月換算の料金が併記されてるサイトもあります。
東京や神奈川など首都圏の場合、1K・駅まで徒歩10分以内の物件で、4,000~8,000円/日が相場でしょうか。 安い賃料が設定されている会社もありますが、賃料以外の料金を加えると、最終的に同程度の金額になるケースも少なくありません。注意しましょう。
マンスリーマンションの賃料は非課税のため、消費税はかかりません。これは一般的な賃貸における家賃・敷金・礼金と同じです。 元々、消費税が導入されたときは、賃料も課税対象でした。しかし平成3年の法改正により、住宅家賃は家計への負担が大きいなどの理由から、非課税とすることが決まりました。そのため賃貸物件を「事業用」で使用する場合は、今でも消費税がかかります。
2、水道光熱費
一般的な賃貸の場合、水道光熱費は利用した分だけ加算される「従量課金制」が多いですが、マンスリーマンションは殆どが「定額制」です。1日当たり400~800円(月間12,000~24,000円)が相場です。
夏や冬でも料金は変わりませんが、殆どの場合、無制限ではないため、一定の基準を超えると追加料金が必要になります。 利用人数によって料金が変わる場合もあるので、見積もりの際に詳しく聞いておきましょう。
3、管理費
マンスリーマンションには「管理費」がかかる場合もあります。いわゆる「共益費」がイメージとしては近いです。エントランスホールの清掃やエレベーターの維持管理。宅配ボックス、オートロックの設備費などにあてられます。 1日当たり500~700円が相場ですが、無料の会社も比較的多いのでコストを抑えたい場合は狙っていきましょう。
4、清掃費
マンスリーマンションは住人が入れ替わるたびにクリーニングを行うため、清掃費が必要となります。入居時に「初期費用」として払うケースが多いので、ご注意ください。
また入居期間が長いほど汚れも目立つので、契約日数に合わせて料金が変動するケースも多いです。間取り、利用人数によっても変わるので確認しておきましょう。
清掃費は単純に安ければいい、というわけでもないのが悩ましい所です。運営会社が清掃にコストをかけていない場合、入居する部屋の清潔感がイマイチな可能性もあります。
「とにかく安さ優先」であれば話は別ですが、生活の質も重視するならコストは多少上がっても、清掃システムのしっかりした会社から選びましょう。 清掃費が高いと感じたら、問い合わせた際に理由を聞いてみるのがお勧めです。納得のいく内容であれば、そのまま申し込みましょう。
5、インターネット利用料
多くのマンスリーマンションでインターネットが利用可能です。大別して、固定回線と無線(ポケットWifiなど)の2タイプに分かれています。
無線の場合、3日で10Gなど容量制限があることが殆どで、毎日テレワークやオンライン学習で利用していると、大抵困るケースがでてきます。 できるだけ固定回線の物件を選ぶましょう。プライベートの動画視聴も容量オーバーを気にせず最高画質で楽しめます。 利用料の相場は月3,000円~5,000円が多いようです。中には無料の物件もあるので狙っていきたい所です。
6、寝具レンタル費
マットレス、布団などの寝具は、有料オプションになっているケースが多いです。一式揃えて、一人分:月5,000~10,000円が相場です。
自宅から持ち込みも可能ですが、気軽な引っ越しというマンスリーマンションの利点が消えてしまうので、悩ましい所です。 また「ベッドあり」の表記がある場合も、布団は要レンタルだったりします。念のために確認しておきましょう。 全て無料の運営会社もあるので、最初からそちらを選ぶのもお勧めです。
7、その他費用(自転車・家電レンタル費など)
マンスリーマンションは家具家電付きですが、顧客のニーズに合わせ、追加オプションがよく用意されています。トレーニング用品やヘア家電、Webカメラなど充実のラインナップで揃えた会社もあり、こだわりがある方には特に嬉しいポイントです。
自転車のレンタルを行っている会社もあります。都心なら電動のレンタサイクルも良いですが、バッテリーの残っている機体や、返却ポイントを探す手間もあるので、運営会社のオプションの方が気軽で便利かもしれません。ぜひ活用しましょう。