【エピソード付】引っ越し後に後悔した設備や条件5選

賃貸物件へ引っ越しをするときは、物件探しから契約、家財の運び込みまでに多くの時間とお金を費やします。しかし、よほど引っ越し経験が豊富な人でなければ、見落としや確認漏れがないスムーズな引っ越しをするのはなかなか難しいものです。気に入った物件に入居できたと思ったのに、高い初期費用を支払ったのに、いざ住み始めてから「こんなはずでは…」と後悔した経験がある人も少なくないでしょう。

そこで今回は引っ越し経験者が実際に後悔した、賃貸物件の設備や条件5選をエピソード付きでご紹介します。「もう引っ越しで後悔することは避けたい」という引っ越し経験者の方も、はじめての引っ越しを控え「後悔しないための確認ポイントが知りたい」という初心者の方も必見です。

なぜ、入居後に後悔するのか

賃貸物件への入居後に後悔する原因の代表例としては、以下が挙げられます。

  1. メリットばかりに目が向いていた
  2. 内見をしなかった
  3. 契約書の内容をよく確認しなかった

とくに①はよく聞く話。家賃の安さや立地の良さ、築年数の浅さなど、自分にとってメリットが大きいと考える点を優先することは、物件探しをする上で決して間違いではありません。しかし入居後の後悔を避けるためには、その他の条件やデメリットについてもよく確認した上で、総合的に判断することが大切です。

ここからは具体的な設備や条件について、メリット・デメリットや実際にあったエピソードをご紹介します。

1、ロフト付き

主にワンルームや1Kのように、居室の広さに限りがある物件に付いていることがある、ロフト。居室内の空間を有効活用するために、床と天井の間に屋根裏部屋のようなスペースを設け、はしごで昇り降りします。大人が中腰にならないと歩けない高さのものが多いですが、中には普通に立てるほどの高さのものもあります。

ロフトは、およそ30年前に都会の賃貸物件で多く取り入れられていました。当時ほどではないものの、物件探しの条件には必ず「ロフト付き」を入れる人がいたり、狭小物件ブームの影響があったりするなど、現在も一定の需要があります。

メリット・デメリット

ロフト付き物件のメリットは、寝るスペースを独立させられたり、収納専用のスペースを設けられたりすること。自分の好みに合わせて、スペースを有効活用できます。屋根裏のような造りをしていることから、秘密基地のようでワクワクするという声も。天井が高めになっている物件も多く、他の物件よりも開放感があるのも魅力でしょう。

反対にデメリットは、空調効率が悪いこと。エアコンの設置場所によっては、ロフトスペースにエアコンの風が届かないということも…。サーキュレーターを併用するか、夏場や冬場は寝室使いしないのが無難です。

また、天井が高い物件は照明器具の交換も一苦労。照明が切れたときに困らないよう、交換方法や依頼先などを契約時までに確認しておきましょう。

【エピソード】寝室としては不便だった…

入居して最初の2、3ヶ月は寝室として使っていたものの、次第に昇り降りが面倒になってくるように…。トイレへ行くにもいちいち階段を降りなければならず、疲れているときや体調が悪いときはとにかく辛かった。寝ぼけて階段から落ちそうになったことも…。布団を干したり掃除機をかけたりするも一苦労で、半年後には物置になりました。

2、無料インターネット

最近は、物件情報欄に「無料インターネット」や「インターネット使い放題」の記載がある物件を多く見かけます。通常、自分でインターネット回線を引いて環境を整えると、毎月数千円の固定費が発生。それが無料で使い放題となれば、家計も助かります。

そもそも無料インターネットが付いている背景には、空室率を下げて入居率を上げたい大家さんの思惑があります。少しでもお得感を出して入居希望者を多く募るための手段として、回線を引いていることが一般的です。

メリット・デメリット

無料インターネット付き物件のメリットは、入居初日から手続きをすることなくインターネットを使うことができ、回線工事費用といった初期費用や月々の利用料が発生しないこと。忙しい引っ越し準備の合間に、わざわざ自分で契約をして工事日程を調整して…という手間がすべて省けるのは嬉しいですね。

一方で、「無料インターネットは速度が遅すぎて使えない」という意見もよく聞かれます。建物で一括契約している一つの回線を入居者全員でシェアしていることが多いため、特に利用者が増える夜間や休日は使いにくさを感じるでしょう。

また、「無料インターネット」とうたいつつ、実は家賃や共益費が高めに設定されているケースも少なくありません。家賃相場や周辺の似た条件の物件と比較して、本当にお得であるか、確認するようにしましょう。

【エピソード】仕事に支障が出て退去することに…

コロナ禍でテレワークをすることが増え、自宅で仕事をする機会が増えました。資料を共有しながらのビデオ会議では自分だけ画面が止まってしまうことも…。回線速度の遅さに悩んだ結果、自分で別の回線を引くことに。しかし工事で壁に穴を開けることが許可されず、最終的に退去することにしました。

3、冷蔵庫付き

生活に必要な家具や家電があらかじめ備え付けられているマンスリーマンションとは異なり、賃貸物件の中には冷蔵庫だけが付いているものもあります。とくに専有面積が10~15㎡やそれ以下の狭小物件では、冷蔵庫置き場がなく、代わりにシンクの下やロフトの階段下などのちょっとしたスペースにミニ冷蔵庫が設置されていることも…。冷蔵室の上に小さい冷凍室がついているものもあれば、冷蔵室だけのミニ冷蔵庫の場合もあるでしょう。

メリット・デメリット

冷蔵庫がついているメリットは、自分で冷蔵庫を用意しなくてよいこと。はじめて一人暮らしをする人にとっては、購入費用の節約にも繋がります。普段から外食派で自炊をしない人であれば、容量が小さいことによる不便さはあまり感じないでしょう。

反対に自炊派の人から聞かれるのはデメリットの数々。スペースがないため、食材の買いだめや作り置きはほとんどできません。買い物へ行っても、冷蔵庫に入るかどうかを常に考えなければいけないのはストレスです。加えて、備え付けの冷蔵庫には省エネ機能が付いていないことも多く、電気代がかかりやすいという点もデメリットとして挙げられます。

【エピソード】結局、自分で冷蔵庫を買うことに…

冷蔵庫の小ささを最も後悔したのが夏の暑い時期。冷蔵庫が小さいからという理由だけで、暑い中でも頻繁に買い物に行かなければいけなかったのは非効率でした。結局、自分で中型の冷蔵庫を買って居室内に置いたことで状況は改善したものの、ただでさえ狭い部屋が余計に狭くなってしまいました…。

4、メゾネット

同棲カップルや夫婦二人暮らし、ファミリー世帯にも人気が高い、メゾネット。階段を隔てて1階と2階に部屋が分かれており、まるで戸建てのように住めるのがその特徴です。

メリット・デメリット

間取りや部屋の配置は物件によって異なりますが、メゾネットのメリットは生活空間を分けやすいこと。生活リズムが異なる人と暮らすときも何かと便利です。自宅で教室を開いたり、テレワークをしたりする人にとっても使い勝手がよいでしょう。

仕切りが少なく、開放的な造りになっているメゾネットの場合は、空調効率が悪いというデメリットも。空間が広い分だけエアコンの効きが悪くなり、電気代が高くなります。暖かいものが上にいきやすいという空気特有の性質ゆえ、夏場の2階は暑くなりやすく、冬場の1階は寒くなりやすいのも難点です。

【エピソード】隣戸からの生活音に悩まされた…

上の階の人の足音や下の階の人からの苦情を気にせずに生活ができることを魅力に感じ、2階建てのメゾネットに入居。実際に住んでみると、隣の部屋から生活音や話し声に加え、階段の昇り降りの音まで聞こえてきました。(※)自分たちの音も同様に聞こえているだろうと、なるべく音をたてないように気をつけながら生活しています…。

※防音性や遮音性の高さは、建物の構造や壁そのものの厚さによって異なります

5、楽器相談可・ペット相談可

賃貸物件探しをしている人の中に一定数いるのが、自宅で楽器演奏をしたい人や何かしらのペットを飼いたいと考えている人。希望を叶えるためには、それらがあらかじめ許可されている物件に住まなければなりません。楽器やペットの種類によっては、必ずしも許可されるとは限りませんが、まずは「楽器可・楽器相談可」や「ペット可・ペット相談可」となっている物件から候補を選ぶようにしましょう。

メリット・デメリット

楽器相談可やペット相談可の物件を選ぶメリットは、自分の思い描いた暮らしが実現できるチャンスがあること。そもそもそれらが許可されていない物件に住んでしまえば、楽器やペットを諦めるか、引っ越しをするかの二択になってしまいます。

反対にデメリットは、物件によっては楽器やペットの種類、演奏時間に制限があること。また、必ずしも防音設備が整っているわけではないため、他の人の音に悩まされることも…。なかなか入居者が決まらないときの打開策として、こうした希少性の高い条件をつける大家さんもいるため、楽器の音やペットの鳴き声を巡って周囲の住民とトラブルになるケースもあるのです。

【エピソード】他の人の演奏が不快に…

防音設備が完全には整っていないことは承知の上で、楽器可の物件に入居。許可されている時間内の演奏であれば、音もお互いさまで気にならないかと思っていました。しかし、楽器も違えば演奏スタイルも人それぞれ。徐々に周囲の音がストレスになるようになり、完全防音物件への転居を決意しました。

賃貸物件選びで迷ったら…マンスリーマンションでお試し住みがオススメ!

一見メリットが多そうな設備や条件であっても、実際に住んでみたらデメリットの方が多かった、という後悔が起こりうるのが賃貸物件選びの難しいところです。一方で、決して安くない初期費用を支払って入居するからこそ、後悔しない物件に住みたい、と誰もが思うことでしょう。

「実際に住んでみて、納得した上で物件選びをしたい」という人には、マンスリーマンションでのお試し住みがオススメ。設備や条件だけでなく、立地や周辺環境についても併せて確認できれば、より安心して賃貸物件の契約ができるでしょう。マンスリーマンションが気に入ったら、そのまま継続して住むというのも1つの選択肢ですよ。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。