街歩き「蔵前」│ものづくりの力で街づくり。今注目の魅力あふれる街│vol9
暮らす前に、知っておきたい街のこと。マンスリー48のスタッフが実際に歩いて、住みやすさを紹介する「街歩きシリーズ」。今回は蔵前駅の周辺を散策してみました。
下町人情でつながるクリエイター同士の絆。「蔵前」が人気になったワケとは?
江戸時代には幕府の米蔵がたくさんあったことからつけられた「蔵前」の地名。そこから時代は流れ、今となってはものづくりの街として、さまざまな世代から注目されています。
この辺りは昔から革製品や金具などの問屋が多く、今もその名残りからか多くのクリエイターが工房やショップを開いています。そんな環境から自然とクオリティの高い職人が集まり、ものづくりの街として着実に発展してきました。
そして下町人情でクリエイター同士が横へつながっていき、そこへ自然と人が集まってきて、今のブルックリンスタイルの蔵前ができているようです。川のある風情や古い建物をリノベーションして蘇らせた街並み、そんな今注目の街「蔵前」をのんびり散策してみたいと思います。
下町から都心部へ。多彩な路線の利用が可能な街
蔵前駅には、都営浅草線と都営大江戸線の2路線が乗り入れます。都営浅草線は日本橋や新橋などのビジネス街に乗り換えなしでアクセスできます。さらに大江戸線は新宿方面への乗り換えもなく、下町から都心部へと環状につないでいるため、とても便利な路線です。
また徒歩圏内に田原町駅や浅草駅、浅草橋駅があるため、銀座線や東武スカイツリーライン、JR総武線なども利用可能。浅草や浅草橋の移動の際に時間があるときは、隅田川テラスを散策するのも気持ちいいですよ。
駅周辺のお買い物環境はまずまず
こちらは大江戸線すぐそばにできた江戸通り沿いのスーパーマーケット「まいばすけっと 蔵前駅北店」。すぐそばには「まいばすけっと 蔵前駅前」もあるので、駅の出口によって使い分けができます。
都営浅草線側には、「miniピアゴ蔵前2丁目店」があり、どれも小さいながらも品揃えも豊富で、たいていのものは揃いますよ。 駅から移動せずにお買い物できるのは便利ですね。
日用品は都営浅草線近くにある「ドラッグセイムス」が便利。コンビニエンスストアは、江戸通り沿いにほどよい間隔で点在しているので、不便はないでしょう。
―オシャレで素敵なショップが多い江戸通り西側エリア―
では早速、駅周辺の江戸通り西側エリアから散策してみましょう。
スイーツの美味しいカフェ「鷰 en」
こちらは都営浅草線A2出口を左側へ進むとすぐに見えてくる人気のカフェ「鷰 en」。1Fがカフェスタンド、2Fが待ち合わせなどに便利なカフェラウンジ、3Fがセレクト雑貨などを扱うマーケットプレイス、4階は屋上ガーデンプレイス。4Fは芝生やデッキなどが施され開放的な空間。少人数などの貸切パーティーなどにも最適です。
店内は江戸通りを見下ろせる窓際やソファ席、小上がりになった座敷スペースもあり、ゆったりとくつろげる空間。Wi-Fi完備で電源が使える席もあり、ワーケーションにも良さそう。ずっと居たくなる、そんな居心地のいいカフェです。
見た目も味も抜群!「Daily's muffin(デイリーズマフィン)蔵前店」
続いては都営浅草線A1出口を出て左手にある、可愛らしい外観が目を引く「Daily's muffin(デイリーズマフィン)蔵前店」。
アメリカンスタイルのマフィンで外はカリッと中はしっとりが特徴です。季節の果物を使ったおやつや朝食にピッタリのスイーツ系マフィンから、野菜などを使ったおかずにもピッタリなお惣菜系マフィンまでさまざまな種類の取り揃えがあり、選ぶのに迷ってしまいそう。
他にもベーグルや焼き菓子、シフォンケーキなど小ぶりな店内にさまざまな種類が並べられています。ラッピングも可愛いので、ギフトにもピッタリですよ。午後には品揃えも少なくなるようなので、いろんな味を楽しみたい方は午前中の訪問をオススメします。
気さくな店主が作るやみつき韓国料理「AKACHAN」
デイリーズマフィンさんをあとにし、江戸通り沿いに向かうと目に飛び込んでくる、赤と紫のエキゾチックな外観。こちらは韓国料理のお店「AKACHAN」。
甘辛だれが食欲をそそるヤンニョムチキンやカリフワ食感のキムチチーズチジミ、トッポギ、チャプチェなど本格韓国料理が手軽に食べられます。テイクアウトをしても、しばらく熱々で美味しい!というのもこのお店の特徴。またLINE登録しておくと待たずにテイクアウトできますよ。
気さくな店主と多数の口コミがありましたが、そのとおり撮影している私にもとても気さくに話しかけてくださり、最近の蔵前事情などを伺いましたよ(笑)
ぜひ今度はプライベートで来店したいと思います。
栄養満点のランチをリーズナブルに「ごはんやCafe 膳菜」
蔵前駅からいったん浅草橋方面へと南下してみました。こちらは、お昼時満席になっていた「ごはんやcafe 膳菜」。毎日のランチでも利用可能な料金設定と体が喜ぶメニューの取り揃えで、近くのオフィスから利用される方が多いよう。ごはんは白米の他に五穀米も選べるのも嬉しいポイントです。
オシャレなカフェごはんというよりは、塩サバ焼きの薬膳ランチやハンバーグなど定食屋さんに近いメニュー。お食事が偏りがちな、一人暮らし男性の方にピッタリのお店ですよ。
―こだわりのショップが多い国際通り西側エリア―
お次は江戸通りを渡り、国際通り西側のエリアを散策してみます。
カゴのある暮らしをしたくなる「水木屋馬場商店」
江戸通りを渡って歩いていると、気になるお店が!
こちらは創業明治33年、藤や竹、柳、木製品を扱う卸売店の「水木屋馬場商店」。商品はすべて天然素材で品質は高いのに、お値段がリーズナブル!素材もお値段も豊富に揃っていて、見ているだけでワクワクする空間です。
天然素材のカゴはお野菜や洋服、小物入れとしていろいろな使い方ができる上、プラスチック製品よりも温もりを感じられ、お部屋のグリーンとの相性も抜群。蔵前に訪れた際には、一人暮らしのインテリアやアウトドアなどのお共にぜひ天然素材のカゴを手に入れてみませんか?
蔵前人気を支えるチョコレート専門店
都営浅草線A0出口から徒歩2分、台東区立 精華公園前にある「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」。蔵前に来たら絶対に行きたいと思っていた、このお店はサンフランシスコ発のチョコレートファクトリーのあるカフェ。
ものづくりの街「蔵前」にあるお店だけあって、カカオ豆の選別から焙煎、テンパリングを経てチョコレートバーになるまでを手作業で行われる製造工程を間近に見ることができます。
チョコレートの試食ができたり、飲み物にフリーのマシュマロをつけたり、密かにお得感もありますよ。テイクアウトして、おうちでゆっくり食すもよし、2階のカフェスペースで至福の時間を過ごすもよし。ぜひ素敵なお店の雰囲気と本物のチョコレートを味わってみてくださいね。
有形文化財の建物にある北欧デザイン家具のお店
国際通りを浅草方面へ歩いていると見えてくる、インテリアショップ「NOCE (ノーチェ)浅草蔵前店」。オシャレなテーブルやソファ、チェアなど空間を目いっぱい使ってディスプレイされています。
実はふらっと歩いていて、趣のあるビルに目が留まったんです。それもそのはず!こちらNOCEが入っている「タイガービル」は、なんと国の有形文化財にしていされているという、とても貴重な建物なんです。ビルのレトロなエレベーターやトイレもぜひチェックしてみてくださね。
国際通りで圧倒的人気のパティスリー&カフェ
さらに国際通りを進んでいると、たくさんの人だかりが!
近づいても看板のようなものは見当たりません。実はこちらには、蔵前で人気のパティスリー「菓子屋 シノノメ」とカフェ「喫茶 半月」が入っています。
こちらも古いビルをリノベーションされ、より魅力的な空間が創り出されています。1Fはクッキーやスコーン、パウンドケーキなどの焼き菓子のテイクアウト専門店の「菓子屋 シノノメ」、2Fは美味しいカフェとスイーツを楽しめる「喫茶 半月」です。
シノノメの人気ナンバーワンは外はざくざく、中はふんわり軽い食感が特徴の「スコーン」。店内に併設された工房で作られるため、毎日できたてを食べられます。
半月は20席もある長いカウンターと落ち着いた広々空間が特徴です。メニューでは、季節のシュークリームがインスタ映え抜群!さらにスイーツに合わせて軽めのアルコールも提供されています。
口いっぱいに広がる甘いスイーツと、華やかな味わいのアルコール。贅沢な昼下がりを過ごせそうです。
創業55年の確かな目利き!魚料理 「遠州屋」
こちらは国際通りから浅草通りにいく一つ手前の路地にある魚料理のお店「遠州屋」。創業から55年経つ老舗で、国産天然の伊勢海老や海鮮しゃぶしゃぶ、こだわり鮮魚のお寿司など、四季の素材で造る旬の魚介を中心としたコース料理が人気のお店です。
お誕生日や宴会などに満足度の高いこちらのお店は、ちょっとお高めな料金設定で、普段使いには難しいのかな?と思ったのですが、実はお弁当やテイクアウトも充実!この道一筋55年のご主人が直接魚河岸で仕入れてきた新鮮な食材をリーズナブルな価格で食べられます。
生まぐろ丼700円、海鮮丼820円、特選イクラ丼950円(税込/令和3年12月時点の料金)とお値打ち価格!大切な方との会食から日常のお弁当まで、さまざまなシーンで利用できそうなお店ですよ。
アンティーク家具とお花に包まれるハイセンスなカフェ
蔵前に来たら行ってみたいカフェの一つ、「フロムアファー」。こちらは、先ほどご紹介した「菓子屋 シノノメ」と「喫茶 半月」このあとご紹介する「道具屋 nobori」と同系列のカフェ。
こちらの特徴は、カフェにお花屋さんが併設されていること。アンティークな家具が配置された室内にセンスのいいお花が並べられ、お店の印象を一層惹き立てています。またカップソーサーやカフェアートもオシャレ!
美しいお花とアンティークな家具に囲まれて、季節のタルトとカフェラテ。最高のカフェタイムを過ごせそうです。
カフェで使用するうつわが手に入る「道具屋 nobori」
先ほどご紹介しました、「from afar(フロムアファー)」と同じくオシャレな外観が特徴の「道具屋 nobori」。こちらは、同系列の「from afar(フロムアファー)」の一角で売っていた小物をもっと多くの方に手に取ってもらいたい!と始めたお店。
このシンプルな看板からもお店のセンスの良さを感じられます。
和物、洋物、作家さんやメーカー、アンティークと分野を問わず、日常に使いやすいもの、ときめきを感じられるものだけを厳選して集めているそう。
同系列のカフェで使用されている、グラスやお皿の取り扱いもあるため、カフェで気に入った食器もここに来れば手に入るかもしれませんよ。
お値段も手の出やすい価格のものが多く、少しずつ集めていくのも良さそう。おうち時間が増えた今だからこそ、素敵な食器でおうちごはんを楽しんでみるのもいいかもしれません。
ー蔵前を支えてきた老舗のお店から街づくりを担ったお店まで国際通り東側エリアー
そろそろ散策も終盤。田原町まで来てしまったので、蔵前駅めがけて引き返していきたいと思います。
浅草・田原町で昭和17年から続く老舗「パンのペリカン」
道具屋noboriさんから歩くこと3分、国際通りを渡り見えてきた赤いテントが目印の「パンのペリカン」。こちらは、昭和17年から続く老舗中の老舗のパン屋さん。
今となっては食パン専門店は当たり前というかブームにまでなっていますが、ペリカンパンはその先駆け的存在のお店。空前のパンブームが到来した昭和30年代、パン屋が飽和状態のなったときに他店との差別化を図るため、あえて食パンとロールパンに絞ったそう。この2つではどこにも負けないものを作ろうと決め、今日のゆるぎない人気店へ。
実は私もペリカンパンのファンで、見つけると買わずにはいられません。そのまま食べてもよし、焼いてもよし。でもオススメは断然トースト!サクッとした食感とほんのり甘い香りが朝から幸せ気分を運んでくれます。昭和から続く不動の美味しさ、ぜひ一度食べてみてくださいね。
パンのペリカン直営カフェ「ペリカンカフェ」
そしてこちらは、パンのペリカンから蔵前方面へ南下すること2分。パンのペリカン直営のカフェです。同じく赤いテントが目印なので、すぐに見つけられますよ。
こちらのカフェでは炭火きにしたペリカンパンが食べられます。家でトーストするペリカンパンとはまた違った香ばしさが味わえます。
また生のふわふわ食感を楽しめるよう、フルーツサンドなどのメニューもあって、バリエーション豊か!ペリカンカフェでその味に魅了された方が、食パンを購入しにくることも多いそう。パン好きの方には、要チェックのカフェです。
毎日飲んでも体にやさしい焙煎
そろそろ歩き疲れて足が棒のようになった頃、蔵前駅に向かっているとパッと目に入ってきた、オシャレなコーヒースタンド。 「SOL'S COFFEE STAND(ソルズコーヒースタンド)」。どこかで見たことあるような…。
実は次にご紹介する蔵前の人気雑貨店「KONCENT(コンセント) 駒形本店」さんにも入っているカフェなんです。
以前に「KONCENT(コンセント)」さんで何気に飲んだコーヒーに衝撃を受けたのを思い出しました。とっても飲みやすい!
それもそのはず、こちらソルズコーヒーさんは、コーヒーが苦手な方にも飲めるよう、豆の選定から雑味の原因となる悪い豆を取り除くハンドピッキングを焙煎前と後、2回行う徹底ぶり!
質の高い豆だけを丁寧に焙煎しているからこそ、あの透き通ったようなのどごしのコーヒーが味わえるんですね。コーヒー好きの私が忘れられないコーヒーの一つです。<店名は忘れてしまっていましたが(笑)>
ソルズコーヒーさんは、豆の卸から、イベントへの出張出店、カフェの出店コンサルティングなど、コーヒーに関するさまざまな活動をされています。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
蔵前を影で牽引するお店「KONCENT(コンセント) 駒形本店」
最後の散策地は、蔵前を語る上で外せない、蔵前の誰もが知る人気店「KONCENT(コンセント) 駒形本店」。
ここはいつも斬新かつ新しい発見のできるオシャレな雑貨屋さん。デザイナーや創り手のメッセージを届けるためにつくられたお店には、ここでしか手に入らないユニークな雑貨やこだわりのグッズなどお店いっぱいに並べられています。
コンセントの運営会社アッシュコンセプトの代表、名児耶秀美(なごや・ひでよし)さんは蔵前を魅力的な街へと創りあげてきた影の実力者。「地元蔵前をデザインの力で、どこにもない街につくりあげたい」とさまざまなお店や創り手さんに声をかけ、あるゆる世代を魅了する街へと創りあげてきた方なんです。
先ほどご紹介しましたソルズコーヒーさんやデイリーズマフィンさんもそういったお店の一つ。だからこそお店同士のつながりやオシャレな「街」として蔵前が一体となり素敵に進化してきたのですね。
ものづくりの街で街づくりまでとげた名児耶氏とそれを支え、同じ気持ちで蔵前を発展させてきた企業やお店のオーナーさん。その熱い想いを感じつつ散策してみると、また違った景色を楽しめるかもしれません。
ノマドワーカー注目。変貌を続ける活気にあふれた街
駅周辺をぐるっとまわる街歩きシリーズ「蔵前編」はいかがでしたか?
ものづくりの街として、これからがますます楽しみな蔵前。つぎはどんな街へと進化していくのでしょうか?蔵前は今ある建物にそのお店それぞれの雰囲気を添えて、新しく命を吹き込むリノベーション店舗がほとんど。お店それぞれの雰囲気も楽しみつつ、いつかまた蔵前散策に訪れてみたいと思います。
もっと蔵前について知りたい方には、マンスリーマンションでお試し住みがオススメです。これから住みたい街を決めるには、ネットの情報だけでは、見えてこないことも多いはず。
少し腰をすえて暮らしてみると「通勤場所の近くがいい」「好きなお店に囲まれて暮らしたい」など、自分に必要な環境が見えてきますよ。
マンスリーマンションなら、家具や家電、生活に必要な小物もすべて揃っているので、かばん一つでいつでもお試し住みが可能です。ぜひ一度チェックしてみてくださいね。