街歩き「清澄白河」│古き風情にとけ込む新たな風合いを楽しむ街│vol8

暮らす前に、知っておきたい街のこと。マンスリー48のスタッフが実際に歩いて、住みやすさを紹介する「街歩きシリーズ」。今回は清澄白河駅の周辺を散策してみました。

なぜカフェの街に?清澄白河がオシャレな街へと変貌を遂げた歩み

最近では、すっかりカフェスポットの定番となった清澄白河。なぜ?これほどまでにカフェの街として注目されるようになったのか気になりますよね?まずは清澄白河がカフェスポットになった理由についてみましょう。

⓵空き倉庫と川のある環境が「焙煎所」と抜群のコンビネーションだった

清澄白河一帯は多くの川が流れていることから、水運の拠点として昔からたくさんの倉庫がありました。倉庫は柱もなく天井も高いため、大型の焙煎機や高さが必要な排煙ダクトの設置がしやすく、焙煎所にとって最適な環境が整っています。

さらにコーヒーを焙煎する際には、焙煎機からたくさんの煙や匂いが舞い上がるため、できるだけ住宅街への排煙は避けたいところ。川べりの倉庫なら、排気口を川側へ設置できるため排煙問題を気にすることなく焙煎所をつくれます。

こうして清澄白河には、すでに焙煎所が設置しやすい環境が整っていたのです。清澄白河にあるカフェには倉庫をリノベーションしたカフェが多いのも納得ですね。

➂緑豊かな環境とアートを楽しむ文化がカフェとの相性ピッタリだった

清澄白河駅は日本最大級の床面積を誇る「東京都現代美術館」が徒歩圏内で、ギャラリーなども多く存在するアート文化が根付いたエリア。加えて清澄公園や木場公園、隅田川など自然を楽しめるスポットが多く、天気のいい日はランニングや散策など緑豊かな環境を存分に楽しめます。

アート鑑賞を楽しんだ後や、休日の公園散策のお供にもカフェは相性がピッタリなのです。

またブルーボトルコーヒーの日本第1号店の出店も「カフェの街」への拍車がかかるきっかけとなったでしょう。まだまだたくさんの理由が絡み合っているものの、「倉庫」×「川」×「アート」この3つが揃ったことで、コーヒーの街「清澄白河」が発展してきたのではないかと考えられています。

今回はそんな清澄白河の美しい街並みやカフェ、そしてカフェ以外のオススメスポットも巡ってみたいと思います。

嬉しい始発ダイヤあり!清澄白河駅ってこんな駅

清澄白河駅には、東京メトロ半蔵門線と都営大江戸線の2路線が乗り入れます。大手町へは7分、渋谷へ23分、新宿31分乗り換えなしでアクセスできます。また嬉しいのが、半蔵門線、大江戸線ともに朝のラッシュ時は始発駅になっているため、座ったまま通勤・通学可能です。

半蔵門線プラットホーム

半蔵門線改札から大江戸線改札方面への通路。65mほどしか離れていません。

大江戸線改札を出てすぐにある売店「メルシー」。飲み物やお菓子をさっと買えます

清澄庭園に近いA3出口へ向かう通路。情緒あふれる「深川江戸資料館」の看板が目印

さらに乗り換え駅としても便利で、半蔵門線から大江戸線の改札は同じフロアにあります。階段なしですぐに乗り換えできるのは嬉しいですね。

駅周辺はカフェ巡りにピッタリの落ち着いた環境

素晴らしい庭園をもつ清澄公園と、広々としたスポーツ施設も備える木場公園、大きな2つの公園の利用が可能で、週末は本を片手に公園やカフェ巡りするのも楽しそう。また隅田川をはじめとする水辺も多く、緑と水辺の美しい景観と穏やかな暮らしが叶いますよ。

清澄庭園に近いA3出口の風景

カフェの街として注目されつつも、駅周辺は落ち着いた雰囲気。

では早速駅周辺のスーパーとドラッグストアからチェックしてみましょう!

スーパーとドラッグストアは改札を出てすぐ!

こちらは清澄白河のオールマイティなスーパーマーケットの「赤札堂」。A2出口から左手側に進むとすぐに見えます。1Fは食料品コーナーで、2階には酒類や小型家電、100円コーナーなどもあります。

なんでも揃うスーパーマーケット「赤札堂」

とくにお酒の品揃えが豊富なので、急な家飲みパーティーの際に重宝しそうです。

ドラッグストアの「ココカラファイン」

赤札堂さんのお隣にある「ココカラファイン」。冷凍食品や酒類の取り扱いもあり、品数も豊富です。赤札堂と隣接しているので、お買い物に合わせて使い分けできるのがとても便利です。

ではココカラ早速、清澄白河といえば「清澄庭園」。まずは清澄庭園を目指して散策スタートしてみましょう!

ーゆっくり散策したい!清澄通り西側エリアの環境は?ー

清澄庭園周辺は、道も広々としていて散策コースに最適です。この日はわたしの前を歩くご夫婦がペットの散歩をする女性に話しかけている姿が見られました。

「こんな風にすれ違う人と自然と会話が成立するのも清澄白河効果かな…。」なんて思いながらよく見るとそのペット、わんちゃんではなくうさぎちゃん!うさぎちゃんのお散歩もなんだかしっくりくる素敵な街だな…などとてもほっこりした気持ちで、清澄庭園へと向かいます。

和食も楽しめるイタリアン「est tokyo uno(et001)」

清澄庭園へ向かって歩いていると、目に飛び込んでくる鮮やかなブルーの壁。こちらは、イタリアンであり、和食も提供するカフェのようです。カップルやご家族で好みが分かれるときに良さそうですね。

ペットもOKなので、お散歩がてら立ち寄るのもいいかもしれません。

どの角度からも美しすぎる!清澄庭園の魅力とは?

清澄庭園は、東京都の名勝に指定されている「回遊式林泉庭園」。この日はとても天気に恵まれていたので、ゆっくりと庭園を一周してみます。想像していたよりも園内は広く、木陰を歩いたり、池のほとりの飛び石を歩いたり…。鯉や鳩も人に慣れているようで寄ってきます。カップルや仲の良さそうなご年配の夫婦の姿もありましたが、私と同じお一人様の姿が多く見られました。

東京都選定歴史的建造物に選定された「涼亭」とマンション。不思議と馴染んでいます。

絶景ポイントにベンチあり。ゆっくりと美しい景色を眺められます。

次から次へと来園者が来るものの、混雑するでもなく写真を撮影したり、ベンチで景色を眺めたりと、皆さん静かに庭園散策を楽しんでいらっしゃいます。そこで私も絶景スポットでひと休み…。すっかり癒やされました!

最初は庭園ということで、ちょっと広めの日本庭園を想像していましたが、いい意味で裏切る、想像を超える広さと距離感と自然の造形美。ときに森の中にいるような、湖のほとりにいるような、なんとも言えない不思議な感覚。今度はプライベートで訪れたい、リピート必須のスポットでした。

清澄公園のシンボル「江戸風時計塔」がノスタルジー

お次は清澄庭園のお隣の公園エリアへやってきました。

「清澄公園」入口の風景

公園の周囲にほどよく配置された、木々。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々の楽しみ方ができます。この日は紅葉時期も過ぎた12月。日中陽射しが暖かく、セーターを着ている方は木陰で休む場面も見られました。

中央には広々とした芝生広場があり、走り回ったりボール遊びをしたりアクティブに遊べるスペースがあります。また公園にはほどよくベンチが配置され、本を読んだり、お弁当を食べたり、お友達と会話を楽しんだりと、ゆっくりとくつろげる場所も豊富。癒しスポットとしてちょくちょく訪れたくなる公園ですよ。

つい足をとめたくなる「ババグーリ清澄本店」

清澄公園から江東区立深川図書館を目指していたところ発見したのが、蔦の絡まる外観が目を引く「ババグーリ清澄本店」。 もとはスタジオだった古い建物をリノベーションした社屋です。

ヨーガンレール本社外観

こちらは一見するとショールームのような雰囲気ですが、デザイナーのヨーガン・レール氏が手がけた家具やキッチン用品、洋服など、天然素材にこだわった良質な商品が揃うブランドショップです。

お値段はそれなりにするので、ふらっと行って買うのは難しいかもしれませんが、素晴らしい開放的な空間でこだわりの家具や雑貨に触れるのもいいかもしれません。

ババグーリ向かいのアンティークな雰囲気を醸し出す「江東区立深川図書館」もご紹介したかったのですが、こちらは老朽化に伴う大規模改修工事中。残念ながら令和5年1月末まで休館です。

お部屋に彩りを添えるオシャレなグリーンショップ

清澄通り沿いの築80年の長屋の一角にある「LUFF」はお花や観葉植物、ガーデンデザインを一手に引き受ける清澄白河のオシャレなお花屋さん。この日はあいにくお休みでしたが、店内はジャングルのように上から歩く通路まで、センスのいいグリーンが一面に溢れているそう。

Flower & PlantsWORKS「LUFF」

切り花も豊富に揃っているので、グリーン初心者の方はまずは、お花一本からチャレンジしてみませんか?素敵なグリーンがあるだけで、暮らしに彩りが添えられますよ。

ー人気のカフェやショップが豊富な清澄通り東側エリア―

お次は清澄白河駅へ戻り、清澄通り東側エリアを散策してみましょう。

清澄通り沿いにある、お米屋さん「三河屋精米店」

昭和26年創業、お米マイスターの店主が営む昔ながらのお米屋さんです。さまざまな種類のお米が揃い、その場で精米してくれるが特徴です。精米したてのお米は鮮度も高く、とてもおいしいですよ。

スティックタイプのお米も販売されていて、ギフトにも良さそう。一人暮らしの自炊に、美味しいお米を炊くことからはじめてみませんか?

「深川江戸資料館」(休館中:2022年7月末日まで改修工事)

「深川江戸資料館」の原寸大ジオラマ空間

駅の看板の「まめ助」が可愛くて、「絶対に行ってみたい!」と意気揚々と訪れましたが、あいにく2022年7月末日まで改修工事のため、休館中でした。

深川江戸資料館は、かつての江戸時代に深川佐賀町で暮らす人々のリアルな光景を楽しめる、原寸大のジオラマ空間。まるで江戸時代へタイムスリップしたような感覚を味わえます。

落語やトークイベントなどさまざまな催事もあるようなので、改修工事が終わったら、ぜひイベントをチェックしてから訪れてみてくださいね。

江戸の味を今に伝える「深川宿」

こちらは、深川江戸資料館向かいにある、名代深川めしのお店「深川宿」。東京メトロの石原さとみさんのCMで、富岡八幡宮にある「深川宿 八幡店」が撮影され注目を浴びました。こちらは、その本店のお店です。

名物は「ぶっかけ」と「炊き込み」の2種類の深川めし。江戸時代の漁師めしと言われた「ぶっかけ」と職人のお弁当用としての「炊き込み」どちらも楽しめる一度で二度おいしい「辰巳好み」が人気です。

深川江戸資料館で江戸の暮らしに触れた帰りに、漁師めし…心も体も江戸を体感できるスポットですよ。

深川宿のお隣、人気のパン屋さん

元パティシエのオーナーシェフが作る、こだわりパンの数々は、2017年オープン後瞬く間に人気となり、今や午後にはほとんどのパンが売り切れてしまうほど。

毎日食べたくなるパン屋さん「Boulangerie Panta Rhei(ブーランジェリー パンタレイ)」

人気は断トツで北海道食パン。素材のほとんどに北海道産の原材料が使われ、ふわふわでありながら弾力感もあるのに、しっとり。 他にもレーズンボール、奥久慈(おくくじ)卵のクリームパン、塩パン、練乳クリームが売れ筋だそうですよ。清澄白河のおいしいコーヒーのお供にいかがですか?

紅茶好きさんが通うお店「TEAPOND 清澄白河店」

ブーランジェリー パンタレイさんから再び清澄白河駅方面へ向かっていると見えてくる、オシャレな外観。こちらはカフェの街清澄白河にある紅茶専門店の「TEAPOND 清澄白河店」。撮影中にも通りかかる女性が次々と吸い寄せられるようにお店へと入っていきます。

イートインはありませんが、豊富なフレーバーティーが揃っていて、少量からも購入できるのが嬉しいところ。

パッケージがとても可愛いので、お土産にも良さそう。いろいろと試して、お気に入りの紅茶を見つけるのも楽しいですね。

うつわと小物のお店「青葉堂」

TEAPONDさんのお隣にもオシャレで、女性がついつい立ち止まるお店がありました。こちらはうつわや小物を扱う「青葉堂」。店主自らが全国各地の焼き物の産地へ出向き、独自の感性でお気に入りの和食器を買い付けてくるのだそう。

こだわりの食器はお値段が気になるところですが、ちょっとしたプレゼントにも嬉しい小皿や箸置きなどリーズナブルな品揃えもあります。ぜひお気に入りのうつわを探しに出かけてみてくださいね。

隣り合う「TEAPOND」さんと「青葉堂」さん。センスのいいお店が並びます。

北海道ナチュラルチーズ・コンシェルジュ「チーズのこえ」

いよいよ気になるカフェ巡りをしようと思っていたところ、路地裏に気にあるお店が。北海道ナチュラルチーズを専門に扱う「チーズのこえ」を発見!北海道のチーズ工房の中でも選りすぐりの40工房から200種類以上のチーズを取り揃えているそう。

チーズに合うワインも豊富に取り揃えられているので、チーズとワインをセットで楽しみたいところ。また濃厚なソフトクリームも人気ですよ。ソフトクリームを片手にカフェ巡りも楽しいかもしれませんね。

清澄白河に来たら押さえておきたい!カフェ3選

終盤にきてようやくお待ちかねのカフェ巡りに出かけたいと思います。清澄白河で不動の人気を誇る3店舗です。行ったことない方はぜひ、チェックしてみてくださいね。

築50年のアパートからオシャレなカフェへ

清澄白河のカフェで人気店の1つ「fukadaso cafe」。発見した瞬間からレトロな外観に目を奪われます。築60年のアパートをリノベーションして作られた空間はあえて創りこみ過ぎず、ほどよいレトロ感とビンテージ家具に囲まれて至福の時間を過ごせること間違いなし。

このレトロ感がたまらない!「fukadaso cafe」&「リカシツ(理科室)」

fukadaso(深田荘)には他にもオシャレな住人が…。

チーズケーキやパンケーキが人気のようです。ソファ席や大きいテーブル席などさまざまな席が用意されているので、来るたびに印象が変わるのも楽しみですね。

食後はお隣のインテリアショップ「リカシツ(理科室)」でショッピングを楽しむのもオススメですよ。フラスコやビーカーなど普通のお店では買えない実験道具が揃っていて、こちらもとても面白い空間です。

自家焙煎コーヒーショップ「ARiSE(アライズ)コーヒーロースターズ」

fukadaso cafeをあとにし、ブルーボトルコーヒーを目指して歩いている交差点の角にあるロースタリーのお店「ARISE」。豆の販売を主にしているものの、お店の周囲には味のあるベンチがおかれ、その場で淹れたてのコーヒーを飲むこともできます。

好みを店主に伝えると、好みのコーヒーを目の前でドリップしてくれます。コーヒーを愛する人から愛されるお店。豆から選びたいコーヒーツウはぜひ押さえておきたいお店です。

清澄白河の代名詞「ブルーボトルコーヒー」

清澄白河散策もラスト!ここへ来なくては終われません。

「ブルーボトルコーヒー 清澄白河フラッグシップカフェ」

正面からみた佇まいもなんだかいいんですよね。

やはりここまで清澄白河をカフェの街へと押し上げたパイオニア「ブルーボトルコーヒー 清澄白河フラッグシップカフェ」。 こんな住宅街に?と思うような普通の街に佇みます。

こちらは冒頭でご紹介した通り、木材倉庫の跡地をリノベーションしたお店。ここが古い倉庫だったとは微塵も感じさせないほど、大きなガラスの建具を駆使して、どこにいても気配を感じられる、オープンな空間づくりがされています。

この日も店内から外のベンチまでたくさんの人で賑わっていました。また都内にしては珍しく駐車場も完備されています。どのコーヒーがいいか迷ったら店員さんに好みを伝えると、合いそうな豆をチョイスしてくれますよ。

ぜひオシャレで落ち着く開放的な店内でゆったりと過ごしたいところですが、1時間待ちなどもザラなので、急ぎの方はテイクアウトもいいかもしれません。テイクアウトのカフェラテにもしっかりとカフェアートが施してあるので、見落とさないよう、見た目も楽しんでみてくださいね。

「深川図書館」大規模改修中につき令和5年1月末まで休館予定

街並みと歴史をいかした、新感覚のお洒落タウン

駅周辺をぐるっとまわる街歩きシリーズ「清澄白河編」はいかがでしたか?カフェの街として、近年急激な進化を遂げる清澄白河。 カフェの人気に伴い、街全体がオシャレなショップや名店が揃っていることに住人の満足度が高いエリアでもあります。

渋谷や表参道のような発展した街に新しいお店があるのではなく、歴史ある建物や街並みを生かしたお店づくりがされているのが、清澄白河の大きな特徴です。これからも古き風情と新たな進化を求めて発展していくのが楽しみなエリアですね。

もっと清澄白河を知りたい方には、マンスリーマンションでのお試し住みがオススメです。家具や家電、生活に必要な小物もすべて揃っているので、かばん一つでいつでもお試しできますよ。ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

この記事を書いた人

颯そら/Webライター

元不動産会社出身の不動産ライター。双子女子と年子の兄の3人の子育てをしながら独学で宅地建物取引士の資格を取得。
現在はフリーライターとして主に関東エリアの紹介記事やインタビューなどのカメラ取材も手がけています。
今ハマっていることは子どもの空手のサポート。親子で研究と改善を繰り返しながら笑ったり、怒ったり、時には涙を流したりと四苦八苦の日々。でもきのうより今日、今日より明日とめざましく成長していく子供の姿に感動しています。趣味は旅行、温泉めぐり、画像や動画編集(勉強中)。