京都の住んではいけない地域・5選。治安を引っ越し前に要チェック!

日本有数の観光都市、京都。歴史的な文化財にとけ込む街並みや、風情ある景観に魅了され「京都に住みたい」と考える方も多いでしょう。しかし京都は年中観光客が集まる場所ですから、その分犯罪発生率も高めです。

また古い歴史を誇る土地柄、観光客以外のよそ者を寄せ付けない排他的な要素があるのも事実。「京都人は顔が笑顔でも腹は黒い」と揶揄される通り、水面下で差別意識が今なお根強く残っている地域も存在しています。

そこで今回は、京都の中で「住んではいけない」エリアを5箇所ご紹介。ただし多少の不安はあっても利便性が高く家賃は安めで、人によっては住む価値が高いと感じられる場所もあります。あくまでひとつの特徴として、お部屋探しの参考にしてみてくださいね。

住んではいけない地域①京都市南区・東九条、崇仁地区

11区から成る京都市は地域によって特色も治安の良し悪しも異なりますが、一般的に南へ下るほど治安が悪くなっていくと考えられています。中でも南区に位置する東九条は「トンク」と呼ばれ、京都でも有数のコリアンタウンだった地区。在日朝鮮人への差別や葛藤を描いた映画「パッチギ」の舞台として広く知られるようになりました。

東九条のすぐ近くに位置する崇仁地区は長年、被差別部落地帯とされてきた街で、華やかな京都に対し影のような場所です。現在は団地跡に京都市立芸術大学が建てられたことで少しずつ廃れた街並みの雰囲気が変化。歴史的背景を知らない若者や、関西以外の移住者が住み始めたことで古からの差別的な空気は薄れてきています。

歴史の闇から変わりつつある東九条・崇仁地区ですが、安易に同地区で暮らすのはオススメできません。その理由と注意点について詳しくご紹介していきます。

東九条・崇仁地区が住んではいけないといわれる理由

京都駅から南へ徒歩数分、交通便・利便性ともに優良な東九条ですが、かつては在日朝鮮人が多く暮らすコリアンタウンであり、鴨川沿いに不法占拠のバラック小屋が並ぶスラム街でした。現在はもちろんすべて撤去されインフラも整備されていますが、街の中には荒れ果てた木造住宅やトタン屋根の小屋などがところどころに残っており暗い雰囲気が漂っています。

崇仁地区もまた京都市立芸術大学の周辺を除いて、古い家屋や団地が残る地域。部落制度が撤廃された後も人々の差別意識は根強く残り続け、数十年前までは暴力団がはびこる治安最悪の場所で、女性や子供は単身で歩くことすらできない危険な街でした。そのため過疎化が進み廃墟と化した街は、今なお寂れた箇所が残されたままになっているのです。

しかし昭和から平成、令和時代にかけて両地区ともに変化の時を迎えています。黒歴史と決別し、京都駅に近い利便性の高さを生かして近い未来に再開発されるでしょう。今後の発展が楽しみな地域のひとつですよ。

おすすめしないユーザー

とくに治安が悪い危険地域ではありませんが、街の雰囲気は暗く活気があるとは言い難いエリアです。家賃が安い、交通便が良いという理由だけで同地区に住むのはオススメしません。また空き家が多く夜道も暗め。女性の一人暮らしは避けた方が良いでしょう。

住む場合の注意点

東九条・崇仁地区は公営住宅がたくさんあり、現在も住むことは可能です。しかし老朽化が目立つ古い建物が多く、地震や火災時のことを考えれば廃墟が集まっている場所はリスク高め。同地域で住まいを探すなら、万が一の安全性も考慮して選びたいですね。

住んではいけない地域②京都市伏見区・向島地区

京都市内で「治安が悪く、住んではいけない地域」といわれることが圧倒的に多いのは南区と伏見区です。京都市伏見区は京都駅の南側に位置する地域で、酒蔵が残るノスタルジックな街並みや初詣に数百万人の参拝客が集まる伏見稲荷大社、城下町として栄えた商店街など観光スポットが多い魅力的なエリア。

市内でもっとも人口の多い行政区であり、ファミリー世帯にも人気が高い住みやすい街です。そんな伏見区が、なぜ住んではいけない地域と呼ばれているのでしょうか。その理由と注意すべき詳細地域についてご紹介します。

伏見区・向島が住んではいけないといわれる理由

伏見区の中でも南端に立地する向島は、1970年代に建てられた大規模な市営住宅団地が連なる地域です。京都は南に行くほど治安が悪くなるといわれる通り、向島では昔から凶悪事件が複数回起きており、今も素行やガラの悪い人が多いという声が多数聞かれます。

窃盗事件も多発していて、自転車は駐輪場ではなく家の玄関内まで運ばないと盗まれるという話も。近くの公園に子供の姿は少なく、閑散とした空気が漂っています。昭和時代に建てられた団地集合地帯は建物も住人も老朽化が進み、次第に治安や街並みが悪くなっていくのは自然の流れでしょう。

ここ向島も団地を中心とした古い住宅エリアで、そのほかは田んぼや畑が並ぶのどかな場所。近年は凶悪犯罪が減り軽犯罪数が目立ちますが、残念ながら煽り運転やゴミのポイ捨てといった検挙されない犯罪が多く、「住みたくないエリア」が定評となってしまっているようです。

おすすめしないユーザー

近鉄京都線の向島駅から京都駅まで乗り換えなしの直通約17分。都心部への通勤通学に便利なため、治安を気にしない方の一人暮らしには最適でしょう。しかし子供のいる家族住まいや女性の単身者は、窃盗や嫌がらせを受ける可能性を考えればオススメできません。

住む場合の注意点

向島地区で自転車やバイクを長時間停める時は、監視カメラのある駐輪場か自宅の中まで持ち込みましょう。しかし1駅隣の桃山御陵は治安が良好で商店街にも近く住みやすいと評判。家賃は上がっても安全に暮らすならこちらがオススメです。

住んではいけない地域③京都市山科区

京都市山科区は京都と滋賀県の間に立地する、三方を山に囲まれた自然豊かな街。JR・京阪線・地下鉄が走り、主要駅の山科駅から京都駅までJR新快速でたったの約5分とアクセス良好です。そんな山科区は京都市郊外のベッドタウンとして多くの方が暮らしており、紅葉の名所である毘沙門堂など京都らしい風情あるスポットが点在しています。

約70年前に区として独立した山科区の治安面においては、「良い・悪い」と相対する意見に分かれています。その理由について詳しく解説していきましょう。

山科区が住んではいけないといわれる理由

京都市に属する11区の中で最後に編成された山科区。京都には洛中・洛外の概念があり、一条から九条、または鴨川から西大路あたりまでの範囲以外は洛外と位置付けられ、山科区は「京都ではない」という考えが今も一部で残っています。

由緒正しき歴史を重んじる京都に対して、わずか70年前に仲間入りした山科は「よそ者の街」「新しい地区だから治安が悪い」というイメージが生まれたのかもしれませんね。山科区は市内でも犯罪発生率が3番目に低く、人口の多さに比べてとくに治安が悪いわけではありません。

しかし某有名飲食チェーン店の社長が射殺された事件をきっかけに治安イメージは悪化。小学生の大麻吸引事件や犯罪宗教団体の信者が住んでいたことなど大きな事件が立て続けに発生し、山科区は怖いという意見が増幅しました。

実際にはイメージほど危険ではないものの、伏見区の公営団地に近い区の南側にはガラの悪い場所もあり、一概に街全体が治安良好とはいえません。若年層の非行が多く子育てに不向きという声も多々見受けられます。山科で暮らす際は家賃の安さだけでなく、エリアの特色もよく考慮してくださいね。

おすすめしないユーザー

大きな事件が複数回発生しているため、心配性の方は山科区での暮らしは不向きでしょう。また滋賀県に近い同エリアは冬の寒さと積雪量が予想以上です。豪雪の際はJRが運休・遅延することもあるので、雪に慣れていない方もあまりオススメできませんよ。

住む場合の注意点

山科区は京都市内で敬遠される南区と伏見区に隣接しているため、エリアによってはやや治安の悪さを感じるでしょう。安全面が気になる方は山間部に立地する山科駅の近くが適していますよ。地価は高いですが利便性も高く住みやすい地域です。

住んではいけない地域④宇治市・ウトロ地区、槙島町

平等院鳳凰堂やお茶の名産地として知られる京都府宇治市。茶畑が広がるのんびりとした風景が特長で、平安時代に貴族たちの別荘があったというのも納得の自然美に優れたエリアです。

同市のメインスポットである宇治川を中心に、桜や紅葉、鵜飼い、花火大会など四季折々の催しが行われていて多くの観光客で賑わっています。JR奈良線をはじめ京阪線、近鉄線、地下鉄が通っており、京都中心地や大阪都心部へのアクセスも良好です。

そんなのどかで平穏な宇治市内にも、住むのに適さない地域が存在します。暮らし始めてから後悔しないよう、宇治での生活を考えている方はぜひ一読してくださいね。

ウトロ地区、槙島町が住んではいけないといわれる理由

宇治市のウトロ地区は戦時中の植民地政策によって生まれた在日朝鮮人の街です。差別と貧困、劣悪な住環境を強いられてきた同エリアは、最近でも在日コリアンに対するヘイトクライムの対象となり放火事件が発生。火事によって廃墟化した場所もそのまま残っていて、治安の良し悪しよりも一般人が容易に足を踏み入れられる雰囲気ではありません。

ネット上には「外国人によって不法占拠された怖い土地」という声が飛び交っていますが、ウトロ地区で暮らしてきた在日の方々が、立ち退き処分を不服としてそのまま住み続けているのが現状です。随所に強制退去に対する訴えが書かれた看板があり異様な空気は流れていますが、住民の数は少なく街は閑散としています。

一方、宇治市の槙島町は上記でご紹介した伏見区の向島地区と隣り合わせの街。巨大団地は空室も多く廃れた住宅が多い地域です。近くの工業地帯で働く外国人労働者がたくさん暮らしているエリアでもありますよ。

おすすめしないユーザー

宇治市自体の治安は悪くありませんが、同エリアの付近はあまり良い評判は聞こえてきません。宇治の特色でもある自然美とのどかさを求める方は、これらの周辺地域は避けた方が良いでしょう。ほかにも安全で家賃が低めの地域は沢山ありますよ。

住む場合の注意点

ウトロ地区の近くに住む際は、治安よりも景観の悪さを気にする必要があります。過去にはヘイトクライムの過激な事件が起こった場所なので、用心するに越したことはないでしょう。槙島町で暮らすなら、向島と同様に窃盗に十分注意してください。

住んではいけない地域⑤京都市下京区・四条河原町

四条河原町は京都随一の繁華街エリア。阪急線、京阪線が走り大通りには各地へ発着する数十路線ものバスが行き交っています。複数の商店街、ショッピングモール、百貨店、オフィスビルが林立する利便性抜群の街ですから、京都市内で都会的な暮らしを望む方には格好の地。少々家賃が高くても四条河原町周辺に住むのは憧れでもあるでしょう。

しかし早朝から深夜まで人通りが途絶えることのない活気あふれる同地は、多くの観光客が集まることから犯罪発生率が高め。近くに住む際は注意すべき点がいくつかありますよ。

四条河原町が住んではいけないといわれる理由

京都最大の繁華街である四条河原町に住んではいけない理由は、人の多さに比例して増加する治安への不安感。祇園祭など大きなイベントの際は大通り沿いが歩けないほど混み合うため、騒音に対する心配もあるでしょう。今や京都で見かける観光客の多くは外国人ですから、マナーの悪さやゴミなど街の不衛生さも気になりますね。

夜間は居酒屋からお茶屋さんまで様々な飲食店がアルコールを提供しており、終電近くになると酔客であふれ返っています。ほかの観光地よりも若い人が多いエリアなので、酔っ払い同士の喧嘩が勃発することも多々あります。トラブルに巻き込まれないよう自分の身は自分で守る必要があるでしょう。

しかし京都を代表する観光スポットの四条河原町は警察官の巡回が頻繁で、大通りには何台ものパトカーが往来しています。地域の安全を守るべく地元住民も一丸となって治安向上に力を入れていて、大阪の繁華街よりは治安が良いですよ。

おすすめしないユーザー

京都に上品なイメージを持つ方は、四条河原町に住むと失敗するかもしれません。同エリアは京都の中でもビル群が並ぶ商業スポット。人が多く終始賑やかな地域なので、京都らしい雅な雰囲気を求めるなら別エリアで住まいを探しましょう。

住む場合の注意点

四条河原町の周辺で暮らすなら、マンションのセキュリティや防音対策などを考慮して物件選びするのが肝心です。キャバクラや風俗店も多いエリアなので、駅までの経路に呼び込みがいないか確認しておくと安心ですね。

犯罪件数の少ないエリアでも油断は禁物!

京都は日本一治安の悪い大阪の隣に立地する都市ですから、ほかの地方と比べて犯罪件数は多めです。凶悪事件から軽犯罪まで色々と起きていますが、都会なのである程度は仕方ないでしょう。治安の良い地域を選んでも、犯罪やトラブルに巻き込まれないようしっかり防衛意識を持つことが大切ですよ。

とくに観光地では置き引き、ひったくり、喧嘩などの犯罪が多発。カバンは肩から掛ける、数分間でも私物を放置しないなどの注意は必須です。繁華街近くの駅や電車内では酔っ払いに絡まれないように気をつけてくださいね。

京都で治安が良いといわれる地域は?

これまで京都府内で住んではいけないとされる場所をピックアップしてきましたが、逆に治安が良く住みやすい地域についてもあげてみましょう。

桂 (京都市西京区)

郊外を除く京都府の中で、もっとも犯罪発生率が低い京都市西京区。中でも阪急京都本線と嵐山線の2路線が走る桂駅は、ファミリー世帯にも人気が高い治安の良いエリアです。駅前にはスーパーや飲食店が集まっていて、利便性も高く住みやすさが整っています。

二条 (京都市中京区)

JR嵯峨野線と地下鉄東西線が乗り入れる二条駅は、近くに女子大のキャンパスが多いことから女性の一人暮らしにオススメの街。駅直結のショッピングモール、商店街などお買い物施設も充実しています。二条城が近いため街灯が多数あり夜間でも暗い道が少ないですよ。

北山 (京都市北区)

市内屈指の高級住宅街として知られる北山エリアは、オシャレで上品な街並みが特長です。教育機関が多いことから街中の防犯カメラが多く、住民の質が高めで治安の良い地域。地下鉄烏丸線で京都駅まで乗り換えなしの約15分というアクセス環境も魅力ですよ。

マンスリーマンションのお試し住みで治安確認がオススメ!

就職や就学で初めて京都に住む方は、家賃の相場や利便性のほかに街の住みやすさも考慮してエリアを選ぶと良いですね。しかし治安の良し悪しや夜道の安全性など、ネット情報だけでは本当のところはよく分からないものです。

そんな時はマンスリーマンションで期間限定のお試し住みがオススメ。家具家電付きで大がかりな引っ越しが必要ないので、気軽に新生活をスタートさせられますよ。ぜひ実際に住んでみてその地域のリアルな治安を確認してくださいね。