マンスリーマンションは喫煙OK?禁煙ルーム増加理由と利用時の注意点

「外食先や職場が禁煙で、なかなかタバコを吸える場所がない」
「ゆっくりタバコを吸いたい」

喫煙者にとっては、タバコを吸える場所の確保はとても重要なことですよね。屋内外で禁煙と言われるケースが良くあるため、「せめて自分の部屋だけでも吸いたい」と考えたくなるのではないでしょうか。

しかし気になるのは、そもそも借りているお部屋でタバコを吸っても良いのかということ。今回の記事では、マンスリーマンションでの喫煙事情について詳しくご紹介します。

お部屋探しをしている方の中には、「タバコのニオイが本当に苦手」と悩むケースもあるでしょう。タバコのニオイが避けたい方向けのお部屋探しのコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マンスリーマンションで喫煙はできる?

結論として、マンスリーマンションでの喫煙はOKな場合が多いようです。ただし、どのお部屋でも喫煙できるわけでもありません。

ホテルでは客室のタイプが「喫煙」と「禁煙」の2つにわかれていますよね。マンスリーマンションでも同じです。「禁煙」タイプのお部屋でなければ、室内で喫煙できるケースが多いでしょう。しかし近年は禁煙志向の高まる風潮があり、禁煙タイプを希望する利用者が増加しています。大家としても需要が高い物件を用意したいため、喫煙可能な部屋は減少傾向です。

喫煙者への世間からの視線は、なかなか厳しいものがあります。ポイ捨てや歩きタバコなど、ほんの一部の喫煙者の行動が原因になっているのでしょう。やはり、喫煙可の物件でもマナーと節度を守った行動が必要です。事前にしっかりと情報収集をして、納得できる物件探しをしましょう。

禁煙タイプのお部屋が増えた理由

かつては喫煙者が多かったため、マンスリーマンションでも禁煙タイプの物件は少数派でした。男性の半数以上が喫煙していた時代もあり、禁煙タイプの物件を求める需要は低かったと言えるでしょう。しかし、近年では社会的な流れとして喫煙率が低下。2009年~2019年のわずか10年間でも喫煙率が大きく低下している状況は、厚生労働省の調査からもわかっています。

(参照:厚生労働省 国民健康・栄養調査報告 平成21年・平成26年・令和元年)

年々タバコ代の値上げもあり、喫煙者数は減少傾向です。健康志向の高まりや周囲への配慮から、タバコを吸わない人が増加しています。社会的な背景から、タバコのニオイや煙を避けたいと希望する方が増え、禁煙タイプのお部屋が求められるようになりました。

禁煙タイプのマンスリーマンションとは

「禁煙」のマンスリーマンションと記載があっても、どれも同じ「禁煙」ではありません。物件ごとに禁煙の扱いが異なるのです。禁煙タイプのマンスリーマンションとは、どのようなものがあるのか、ご紹介します。

主に3つのパターンがあり

禁煙タイプのマンスリーマンションには、主に3つのパターンが考えられます。建物の一部のお部屋のみが禁煙のタイプでは、同じフロアには喫煙可能なお部屋もあります。喫煙者が多いフロアに非喫煙者が入居すると、タバコのニオイが気になるかもしれません。

所定のフロア全体が禁煙のタイプもあります。建物全体が禁煙ではありませんが、非喫煙者がタバコのニオイを感じにくいので、快適性は上がるでしょう。そして建物全体が禁煙に指定しているマンスリーマンションは、タバコのニオイとは無縁。副流煙やタバコの火の不始末などへの不安がなく、快適に暮らせる物件です。

タバコのニオイが苦手な方のお部屋探しのコツ

では禁煙タイプのマンスリーマンションはどのようにして探すのがよいでしょうか。代表的なコツを2つご紹介します。

禁煙にチェックを入れる

物件情報サイトで検索する際に、条件欄の「禁煙」にチェックを入れましょう。禁煙タイプの物件に限定して絞り込んで、喫煙可を除外します。運営会社に禁煙タイプの物件について詳細を問い合わせるのも1つの方法です。

1つのフロア内に喫煙と禁煙があるのか、建物全体が禁煙なのかなどは、情報サイトからでは判断が難しいポイント。喫煙可と記載があっても、ベランダでの喫煙ができないケースなど物件情報サイトに詳細を掲載していないケースも多々あります。管理会社に禁煙タイプの物件を希望していることを伝えて、詳細を尋ねてみましょう。

建物全体が禁煙なら、入居後にタバコのニオイで悩むことはないでしょう。内見時に室内のニオイを確認する方法もあります。実際にお部屋を訪れてみると、タバコのニオイの有無がわかりますよ。

築年数を確認する

タバコのニオイを避けるなら、物件の築年数を確認してください。築年数が古い物件では、禁煙タイプのお部屋が見つかっても注意が必要です。禁煙のお部屋の需要が高まったのを機に、途中でタイプを切り替えた可能性があるのです。貸し出した当初が禁煙の物件ではなかった場合、長年室内で喫煙していたタバコのニオイが残っているかもしれません。

タバコのにおいを完全に避けたいなら、禁煙タイプを選ぶのはもちろん、比較的築浅の物件を選ぶのがポイントです。禁煙の築浅物件は、貸し出した当初から「禁煙」の可能性がとても高いでしょう。タバコのニオイがしないお部屋で快適な暮らしができますね。

喫煙者がマンスリーマンションを契約する際の注意点

では逆に喫煙者がマンスリーマンションを契約する際に注意しておきたいポイントを4つご紹介します。トラブル防止のために、ぜひ事前に確認しましょう。

利用料金

一般的なマンスリーマンションでは、喫煙可と禁煙で料金に差を付けて設定しているケースは珍しいでしょう。しかし念のため喫煙と禁煙で、料金に差がないことやオプション設定の有無を契約前に確認しておくと安心です。

喫煙者が吸うタバコのヤニやニオイは、壁に染み付いていきます。蓄積したタバコの汚れを取り除くのは至難の業。清掃費の設定やルールは運用会社によってバラバラなので、喫煙の有無で退去時の清掃費に差が出るケースも考えられます。喫煙者は契約前の事前確認を念入りに行うことがトラブルを避けるカギになります。

喫煙可能な場所

物件の喫煙可能な場所についても確認しましょう。室内のみ喫煙可能で共用スペースは不可のように、場所によって制限を設けている場合があります。共用スペースでの喫煙が不可の場合、ベランダでの喫煙はできません。

ベランダはお部屋と隣接した部分なので、「自分のエリア」と考えたくなるものです。実は、ベランダは共用スペースに分類される場所。万が一の災害時には避難経路として使用するため、共用スペースとして扱われています。

またエレベーター前や共用スペースの廊下、エントランス前、駐輪場などなら喫煙できると考える方もいるかもしれませんね。しかし注意書きなどが貼られていなくても敷地内なら禁煙と認識しておいたほうが無難です。

タバコのタイプによる違い

タバコには紙巻きと電子、加熱式と大きく3つのタイプがあります。タバコの形状によって、喫煙の可否が変わるケースも考えられます。

紙巻きタバコは、昔から多くの方がイメージする「タバコ」です。タバコの葉に火をつけ、煙を吸い込みます。ニコチンやタールを含んだ煙が出るため、壁紙にニオイが付いたりヤニによる変色などを引き起こします。

加熱式は近年増えているタバコ葉を加熱して水蒸気を吸うタイプのものです。葉を燃やさないので煙は出ません。日本の電子タバコには、ニコチンやタールが含まれていないので、紙巻きタバコと比較すると周囲への影響が少なく、お部屋の壁紙を汚しにくいと言われています。

紙巻きたばこはNGでも電子タバコはOKというケースもあるので、事前確認をしたり、マンスリーマンションを利用する間だけ電子タバコに切り替えるなど、対策をとりましょう。

ベランダからの副流煙

ベランダでの喫煙は、タバコのトラブルにおける代表格です。勘違いされやすいですが、ベランダは共用部分として見なされるスペースです。契約書に、共用部分での喫煙は禁止と記載があればベランダでタバコは吸えません。もし喫煙すると契約違反になります。

こっそりと喫煙する程度ならバレないと思っていませんか。タバコから出される煙やニオイは喫煙者の想像以上に周辺を漂います。近隣住民から「洗濯物にニオイが付いた」「煙が流れこむので困る」というクレームが運営会社に伝わるでしょう。契約違反をする方に、物件に住み続けてほしいとは運営会社からは思われませんよね。

換気扇の下で吸うタバコ

室内で喫煙する際も、換気扇の下で吸うとトラブルに発展するケースがあります。換気扇は室内の空気を外に出すものです。そのため、タバコの煙がお部屋の外へ出ていきます。風に乗ってタバコのニオイや煙が近隣住民の元へたどり着き、クレームになる恐れがあるのです。

お部屋の壁紙にタバコのニオイをこびりつかせないために、換気扇の下で吸う方もいますよ。しかし、換気扇の下で喫煙しても室内からタバコのニオイを消すのは難しいでしょう。

まずヤニが換気扇の羽にこびりつきます。汚れた換気扇を回すことで、ニオイが室内に飛び散り、お部屋がタバコ臭く感じる原因に。換気扇の下で喫煙しても室内に付くニオイをなくすことはできません。近隣とのトラブルを避けるためにも、換気扇の下での喫煙は控えましょう。

喫煙者も非喫煙者も。それぞれのポイントを知ることがトラブルを避ける秘訣。

マンスリーマンションではホテルと同じように、喫煙タイプのお部屋や、特に禁止されていなければタバコは吸えます。しかし喫煙可ならどこで吸っても良いわけではありません。

喫煙可能な場所に制限があったり、退去時に費用が加算されたりする恐れがあるため、契約前にはしっかり確認をしましょう。タバコのニオイを避けたい方は、築浅物件で禁煙タイプのお部屋を探すのがコツです。タバコのニオイが染み付いていないお部屋に、出会える可能性が高まりますよ。

マンスリーマンションは生活に必要な家具家電は備え付け。自分で買いそろえる手間をなくして、新生活が始められます。水道や電気、ガスなどのライフラインもすでに開栓・開通済みなので、面倒な手続きも不要です。

タバコの可否は生活面に与える影響が大きく、通常の賃貸物件との違いもあります。今回の内容をしっかり確認して、マンスリーマンションで素敵な新生活をおくりましょう。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。