「ユニットバスはやめとけ!」と言われる9つの理由。住むのに向いているタイプも紹介!

「お得に住める!」と見つけたお部屋の間取りを良く見てみると、ユニットバスと記載があることはよくあります。初めての一人暮らしで、ユニットバスのお部屋の住心地をイメージするのは、なかなか難しいものです。家族や友人に聞いてみたり、インターネットで検索したりした結果「ユニットバスはやめとけ!」と言われた経験がある方も多いことでしょう。ワンルームや1Kルームなどで採用される傾向が多いユニットバスは、何がダメなのでしょうか。

今回はユニットバスが不人気といわれる理由を詳しく解説します。しかしユニットバスだからといって、お部屋選びで避けすぎると選択肢を大きく減らす原因に。ユニットバスでも問題なく過ごせる方の特徴についてもご紹介しますね。自分に当てはまるかどうかを考えながらチェックし、お部屋選びの参考にしてください。

そもそもユニットバスとは?

そもそもユニットバスとはどういうものを示しているのか、把握できている方は意外に少ないのではないでしょうか。まずは、ユニットバスの由来や種類などを解説します。

なぜ「ユニットバス」と呼ぶ?

ユニットバスは、製造方法の1つの「ユニット工法」が名前の由来です。工場で天井や浴槽、床、壁などの各部品をあらかじめ、形作っておきます。形ができたパーツを施工現場に搬入して、組み立てるのがユニット工法です。完成したパーツを組み立てるだけなのでスピーディーに工事が進められ、工期を短縮できる点がメリットと言えるでしょう。ユニット工法ではない「従来工法」では、タイルを1枚ずつ貼って浴室を作っていきます。

ユニットバスと似たような言葉で、「システムバス」という単語を耳にした方も多いことでしょう。実は、ユニットバスとシステムバスに明確な定義の違いはありません。どちらも工場でできたパーツを組み立てて作っています。

ユニットバスの3つの種類

ユニットバスと聞くと、浴室内に浴槽と洗面台とトイレがある形を思い浮かべる方が多いことでしょう。実は、ユニットバスには以下の種類があります。

  • 1点ユニットバス
  • 2点ユニットバス
  • 3点ユニットバス

1点ユニットバスは、浴室には浴槽とシャワー、洗い場がある状態です。洗面台とトイレは別にあるため、「風呂トイレ別」や「独立洗面台」などの表記が間取り図でチェックできます。2点ユニットバスは、浴室内に洗面台も追加されたものです。トイレだけは別に設置されています。間取り図では「風呂トイレ別」などの表記があるでしょう。

3点ユニットバスでは浴室内に洗面台とトイレが設置され、水回りをコンパクトにまとめたものです。1Kやワンルームなどの限られた空間を最大限に生かすためのセット内容と言えますね。部屋探しの際に敬遠されやすいユニットバスの大半はこの「3点ユニットバス」を指しています。

日本が発祥のユニットバス

浴室に浴槽と洗面台、トイレがまとまった「ユニットバス」という名称は、日本で生まれました。名称は日本で生まれたものの、浴槽にトイレがセットになった形状は海外では一般的に見られます。海外では湯船にゆっくり浸かる習慣がありません。シャワーだけで済ませることが多いため、浴槽とトイレが一体になった浴室が主流なのです。ただし、「ユニットバス」とは呼ばれていません。「modular bathroom」もしくは「prefabricated bath」と呼びます。

1964年に開催の東京オリンピック直前、短納期で浴室を作るためにユニット工法をメーカーが生み出しました。「ユニット工法の浴室=ユニットバス」という言葉がこの時期に生まれたのです。

ユニットバスは後悔するからやめとけと言われるの9つの理由

ここでは、多くの人がユニットバスを敬遠する9つの理由をご紹介します。SNSに投稿されている内容も参考になることでしょう。

衛生面が気になるから

ユニットバスの間取りの大半は窓がなく、換気が不十分になりやすい傾向です。換気扇の性能が低い場合に、衛生面を心配する方が多くいます。浴室のドアを開けっ放しにしても湿気がなかなか消えず、ジメジメした状態が長く続きます。カビ発生を引き起こし、見た目が悪くなるだけでなく衛生上も良くありません。カビの胞子を吸い込んで、健康被害が出る恐れもあります。

カーテンが邪魔に感じるから

ユニットバスの仕切りに使うカーテンが邪魔に感じる方も多くいます。トイレと洗面台部分に水をかけないようにしたり、浴室内の温かさをキープしたりするものです。シャワーを使用したあとは、カーテンはビチャビチャに濡れます。なかなか乾かず、湿ったカーテンが不快に思う方もいます。いつまでも乾かないカーテンにカビが生えてくることもあるでしょう。

トイレットペーパーが濡れたり湿気たりするから

カーテンを閉めてシャワーの水が外に出ないように気をつけていても、トイレットペーパーが濡れることはあります。洗面台で手や顔を洗う際にも水がトイレットペーパーに飛び散ることはあるでしょう。湿気を帯びてフニャフニャと波打った形に、トイレットペーパーが変形することもあります。

濡れたり湿気たりしたトイレットペーパーは、見た目も使用感も悪く不快に思う原因に。ペーパーホルダーの位置を変える工夫で対応する方もいますが、ひと手間が面倒に感じるかもしれません。

濡れると困るインテリアを置けないから

ユニットバスではシャワーで濡れることもあるため、水濡れすると困るものが置けません。水に弱い木製のインテリア雑貨や、濡れてほしくないデザイン性のあるマットなどが挙げられます。飾り付けたいと思ってもインテリアの選択肢が大きく制限されるため、ユニットバスのお部屋は避けたいと考える方がいるのです。

メイクやヘアケアグッズを置くスペースがないから

洗面台の鏡を見ながらメイクやヘアセットをしたいと思っても、ユニットバスではなかなか難しいケースがほとんどです。メイクやヘアケアグッズを置けるほどのスペースがありません。ドライヤーや電動歯ブラシ、ひげ剃り器などを使うには、電源が必要です。ユニットバスにコンセントがないケースはよくあります。使い終えたアイテムを収納する場所がなく、身支度のために洗面台に毎回持ち込む必要があるでしょう。

リラックスしにくいから

浴槽でリラックスしにくい点もユニットバスが敬遠される原因です。1日の疲れを取るため、湯船にお湯を入れ半身浴をする方もいますよね。半身浴で気分のリフレッシュをしたくても、ユニットバスではなかなか難しいでしょう。追い焚き機能がない浴槽では、お湯がどんどん冷めてきます。また長時間湯船にお湯を張ると浴室全体の湿度が高くなり、トイレや洗面台にひどい結露が発生するかもしれません。半身浴に向いた構造ではないため、シャワーのみに留めておくのが無難でしょう。

温水洗浄便座の物件が少ないから

温水洗浄便座の物件があまりないこともユニットバスを避ける理由の1つです。水回りを1ヶ所にまとめるユニットバスでは、スペースに限りがあります。そのためコンセント自体が設置されていないケースも珍しくありません。温水洗浄便座は電源確保のため、コンセントが必須です。

浴室内は湿気の多いため、コンセントがあったとしても通常の温水洗浄便座では湿気の影響で壊れてしまいます。防湿性能に優れた高価なタイプを設置すれば対策できますが、その分のコストがかさみます。賃貸物件の設備にコストをかける大家さんはあまりいないため、温水洗浄便座が取り付けられているトイレが少ないのです。

来客時に使用しにくいから

水回りがコンパクトにまとまっているため1人で生活する分には特に困りません。しかし、来客があったり同棲していたりすると、使用しづらいと感じるシーンが出るためユニットバスは避けられる傾向です。

たとえばトイレを使用している間は、洗面所で手を洗いたくてもできません。手や顔を洗う程度ならキッチンのシンクで可能ですが、何かと不便に感じるものです。行動に制限ができる点はユニットバスのデメリットです。

ユニットバスを避けすぎるのも良くない

ユニットバスのデメリットをたくさん目にすると、お部屋探しでは「風呂・トイレ別」「独立洗面台」を条件に入れたくなりますよね。しかしユニットバスをお部屋探しで避けすぎるのは、オススメできません。ユニットバスを避けると、それだけお部屋の選択肢が減ります。

お部屋探しでは家賃も重要な条件として探す方が多いことでしょう。一般的にユニットバスの物件は、家賃が安い傾向です。水回りをコンパクトにまとめているため、工事費用を抑えられるからです。

都市部に住む場合や若い世代では、家賃が安い物件を狙う傾向があります。賃貸物件でユニットバスのお部屋は全体の約2割。しかし低価格帯のなかでは、ユニットバスの間取りの割合は2割を超えるでしょう。ユニットバスが気にならない方や家賃の安さを優先したい方は、ユニットバスを条件に入れてみませんか。住みたいお部屋が見つかりやすくなりますよ。

ユニットバスの間取りが向いているタイプ

最後に、ユニットバスの間取りが向いているタイプをご紹介します。ここでご紹介する7つのパターンに当てはまっている方は、ユニットバスのお部屋でもストレスなく暮らせる可能性があります。ぜひ、参考にしてくださいね。

水回りの掃除を手軽にしたい方

ユニットバスはシャワーで、水回りの細かい所まで一気に掃除できます。水回りを1ヶ所に集めているため、掃除がスムーズです。毎日が忙しく、掃除時間の確保が難しい方もユニットバスのお部屋を選んでみませんか。

湯船に入らなくても気にならない方

湯船に入らず、毎日シャワーでも不満なく暮らせる方もユニットバスの間取りは向いています。シャワーがあるので頭や体は洗え、日々の清潔感のキープは可能です。お湯を溜めないので短時間で入浴を済ませられます。

浴槽内で体を洗う方

泡風呂などを楽しみ、浴槽内で頭や体を洗う方もユニットバスは良いでしょう。フワフワの泡に包まれるため、ゴージャスな気分に。コンパクトサイズの浴室でも、泡風呂でリラックスしたひとときが過ごせますよね。一通り楽しんだ後に浴槽の泡で体を洗い、シャワーで洗い流します。

一人暮らしで来客も少ない方

来客が少ない一人暮らしの方は、ユニットバスの間取りでも問題なく暮らせます。浴室内にトイレと洗面所があると、来客時に使用しづらさが気になるところです。「手を洗いたいのにトイレが使用中」のような事態も。しかし来客がいない、もしくは少ない場合は困ることがほとんどないでしょう。

浴室にあまりものを置かない方

ユニットバスはコンパクトな構造をしているため、物を置くスペースがほとんどありません。少ないアイテムしか使用しない方や洗面所に物を置けなくても困らない方は、ユニットバスでも不便さは感じないでしょう。ボディーソープとシャンプーのボトルを2本置いただけで、わずかなスペースがいっぱいになることも。アイテムを厳選するか、入浴や洗面に使うものを毎回持ち込みが必要になりそうですね。

温水洗浄便座が不要な方

ユニットバスで温水洗浄便座のトイレを設置した物件はあまり見受けられません。コンセントがなかったり、湿気で温水洗浄便座が傷んだりすることから置けないのです。防湿性の高い温水洗浄便座なら置ける場合もありますが、設備に費用がかかり家賃も高くなるかもしれません。高機能ではない家具家電で、暮らしに問題がないかをイメージしてみることがポイントでしょう。

できるだけ家賃を抑えたい方

できるだけ家賃を抑えたい方にもユニットバスの物件は、オススメです。ユニットバスのお部屋は、一般的に家賃が安い傾向です。水回りをコンパクトにまとめて工事費用を抑えられたことで、低価格の家賃を実現しています。お部屋探しの条件で、安い家賃が最優先事項の方は、ユニットバスの間取りも選択肢に入れて探してみてくださいね。

マンスリーマンションでユニットバスを避けるなら築浅物件が狙い目!

ユニットバスは「ユニット工法」でできた浴室のことです。浴槽のみを1点ユニットバス、浴槽と洗面台がセットの2点ユニットバス、浴槽・洗面台・トイレを1ヶ所にまとめた3点ユニットバスの3種類に分けられます。3点ユニットバスはワンルームや1Kなど、一人暮らしを対象にした間取りで多く見られるものです。しかし、衛生面や物の置きづらさ、来客時の対応など、デメリットがピックアップされ「辞めとけ」と言う方が多くいます。

マンスリーマンションは築年数が古い物件も多いため、ユニットバスの間取りが多くあります。マンスリーマンションでお部屋探しをする方で、ユニットバスはどうしても避けたいときには、築浅物件に狙いを定めるようにしましょう。

他の方が「良くない」と言っても、自分のライフスタイルではそれほど不満を持たない可能性もありますよね。一人暮らしのお試し住みをするときにあえて、ユニットバスの物件を選んで住み心地を確かめるのも1つの方法です。もし「合わない」と思ったときでも、短期契約のマンスリーマンションなら簡単に住み替えも可能ですよ。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。