街歩き「用賀」│世田谷区らしい自然の豊かさが感じられる街。│vol.140

暮らす前に、知っておきたい街のこと。マンスリー48のスタッフが実際に歩いて、住みやすさを紹介する「街歩きシリーズ」。今回は用賀駅の周辺を散策してみました。

ー 自然が多く世田谷区らしい豊かさが感じられる用賀 ー

緑あふれる散歩道・いらか道

世田谷区の中心部よりやや南側に位置する用賀。「世田谷ビジネススクエア」という高層オフィスビルが駅に隣接し、にぎわいある商店街もあるものの、基本的には上品で穏やかな住宅街が形成されています。緑が多くゆったりとした雰囲気が漂い、目には見えない豊かさを感じさせます。

街の主要通りのひとつ「環八通り」

街には環状八号線(通称 : 環八通り)や玉川通り、首都高速道路や東名高速道路も通り、車通りも多いエリアもありますが、少し内側のエリアに入ってしまえば、とても静かなゾーンが広がります。それは電車で渋谷駅まで15分以内でアクセスできる場所とは思えないほど。そんな世田谷らしさがギュッと詰まった用賀の街を、さっそく散策していきましょう。

ー 最速12分でカルチャーの発信地・渋谷に直行! 「東急田園都市線用賀駅」ー

用賀駅北口の外観

用賀駅には東急田園都市線が乗り入れています。東急田園都市線は、渋谷区にある一大ターミナル渋谷駅から二子玉川駅を経由し、神奈川県大和市にある中央林間駅に至る路線。用賀駅で利用できる列車の種別は、普通と準急の2種類です。

始発駅の渋谷駅には最速で12分、隣の二子玉川駅には3分でダイレクトアクセスが可能。賑やかでカルチャーの発信地である渋谷や、上品で買い物施設が揃う二子玉川にも短時間でアクセスできるのは、とてもうれしいですね。

半蔵門線に直通する列車

東急田園都市線は、渋谷駅から先は東京メトロ半蔵門線・東武スカイツリーラインに直通運転を実施しています。オフィス街がある永田町駅や大手町だけではなく、オシャレな表参道駅や青山一丁目駅、”日本一の本の街”がある神保町駅もあり、ビジネスにもお出かけにも便利ですよ。

それぞれの所要時間は、表参道駅に14分、青山一丁目駅に16分、永田町駅に19分、神保町駅に25分、大手町駅には28分です。30分もかからずにこれらのエリアに行けると思うと、なんだかすごいですよね。

ー 区内の南北移動は路線バスにお任せ! ー

北口に面した路線バスのロータリー

世田谷区内には様々な電車の路線が通っています。そのほとんどの路線は都心へ向かうもので、東西の移動がメインです。実は世田谷区内は南北の移動が電車では難しく、路線バスを利用するのが便利です。

用賀駅北口には、世田谷区内では中核的な規模のバスロータリーが設置されています。祖師ヶ谷大蔵駅や成城学園前駅など、小田急線方面へのアクセスが可能な路線が多めです。中には恵比寿駅や渋谷駅方面へ行く路線もあり、仮に電車が動かない場合にも代替手段として活用できるのは心強いですね。

このように区内での移動は電車だけではなく、路線バスを活用するとよりフレキシブルに行動ができますよ。

ー 用賀のオシャレなランドマーク「世田谷ビジネススクエア」ー

世田谷ビジネススクエアのタワー

用賀の街のランドマークと言えば、28階建ての高層タワーがそびえたつ”世田谷ビジネススクエア”です。高層タワーを中心に、計8つの建物で構成されています。世田谷の上質な住宅街の中に作るオフィスゾーン、ということで最先端の機能を持たせながらも、まるで公園のような穏やかな空間が作り上げられているのが大きな特徴です。

タワーの地下や低層部に入るテナント

世田谷ビジネススクエアにあるのは、実はオフィスだけではありません。スーパーマーケットの「東京ストアフードステーション用賀店」や、レストランやカフェ、学習塾、郵便局、雑貨店などなど、生活に密着したテナントも充実しています。

駅前という好立地ですので、帰宅途中に立ち寄り、さっと買い物を済ませられるのはとても便利です。世田谷ビジネススクエアは、用賀の住民にとってもなくてはならない存在と言えるでしょう。

ー 生活に密着したカジュアルな商店街「用賀商店街」ー

にぎわいのある用賀商店街

世田谷区にある個人商店は、なんとなくオシャレでゴージャス、敷居が高いのでは!?というイメージを持たれる方も少なくないのではないでしょうか。用賀駅北側に広がる”用賀商店街”は、そんなイメージを払しょくする、とても肩の力が抜けたカジュアルな雰囲気の商店街です。そんなお店が合わせて300店舗ほど商店街にはあります。

駅に近いエリアには100円ショップの「キャンドゥ」など、おなじみのチェーン店が見られます。さらに先に進むと、用賀ならではの個人経営のお店が多く見られるようになってくるでしょう。

お漬物もおいしい青果店の中沢商店

中沢商店は、商店街の少々中ほど入ったところにある青果店。昔ながらの販売スタイルで、どこか懐かしさを感じます。新鮮な野菜はもちろんのこと、お漬物がとてもおいしいと評判です。

テイクアウト専門の串焼き店「アオサン」

「アオサン」はテイクアウトタイプの串焼き専門店です。焼き鳥や野菜巻などが購入できます。お肉にくるくると巻かれた野菜は、ビジュアル的にもとても美しく、そのうえきちんとおいしいです。

貝出汁がおいしさの決め手「らぁ麺ようが」

らぁ麺ようがは、貝の出汁が効いているスープが人気のラーメン店です。国産のハマグリを丁寧に炊き上げ、香りと旨味が引き出された上品なスープが味わえます。ラーメンだけではなく、アサリご飯もオススメ。カウンターだけではなくテーブル席もあるので、グループでも食べに来やすいですよ。

無人の焼売直売店「野田焼売店」

肉汁がたっぷりの焼売が楽しめる「野田焼売店」は、無人の直売店形式を採用しています。冷凍の焼売は1パックあたり千円。大粒なのでとても食べ応えがあります。蒸し器や電子レンジで簡単に調理ができるのも嬉しいですね。焼売だけではなく、ぎょうざや麻婆豆腐、桃まんじゅうなども取り扱います。

今回紹介した以外にも、ステキなお店が多くあります。用賀商店街は、たくさんの魅力にあふれた商店街でした。

ー 深夜1時半まで生鮮食品が買える! 「FUJI用賀店」ー

FUJI用賀店の外観

世田谷ビジネススクエアの東側、用賀商店街の入口にあるスーパーマーケットの”FUJI用賀店”。店舗はあまり広くはないのですが、日用品から食料品まで、バランスよく取り揃えられているのが特徴です。

生鮮食品の取り揃えがよく、お総菜コーナーの商品もとてもおいしいのが人気の理由でしょう。またこちらは、なんと深夜1時半まで1階のフロアは営業しています。夜遅くなってしまっても、生鮮食品を購入できるのはとても便利ですね。

ー 地域最大級の規模のスーパーマーケット「オーケー新用賀店」ー

多くの人々でにぎわう「オーケー新用賀店」

地域最大規模のスーパーマーケット「オーケー新用賀店」は、世田谷ビジネススクエアの北側、用賀一条通り沿いに位置します。用賀でも特に人気のあるスーパーです。

”Everyday Low Price”を謳っており、どの商品も他店の価格以下に設定されています。オーケーストアに来れば他で買い物するよりも損をすることはないのです。また人工添加物の基準が厳しく、クリアしていないものは販売しません。オーガニック食材の取り扱いもあり、食材にこだわりたい方に特にオススメしたいお店です。

オーケーストアはインストアベーカリーやお惣菜・弁当も安くておいしいと評判です。店内で調理された出来立ての食品が購入可能。インストアベーカリーでは大きなピザが500円台から販売されていて、大人気なんですよ。ご飯を作るのが大変だな…というときに、オーケーのお惣菜やお弁当が大活躍することでしょう。

ー 家電量販店や家具店の大型店も心強い存在 ー

環八沿いにある「ニトリ環八用賀店」

環八沿いにはかなり規模の大きな「ニトリ環八用賀店」があります。家具や食器、リネン類などのホーム雑貨が充実しており、家電の取り扱いまで幅広い品ぞろえが魅力。目立つ家具はブランド物を使っている方も、シンプルな生活雑貨はニトリを愛用している方も多いのですよ。へー!!と思うほどのアイデア商品もあるので、店内を見て回るだけでも楽しいです。

品ぞろえがよくリーズナブル「コジマ×ビックカメラ 用賀店」

用賀エリアで最も大きな家電量販店と言えば、コジマ×ビックカメラ用賀店です。白物家電からスマホ、パソコンに至るまで、生活に必要な家電が揃います。遠くの街まで行かずとも、近場で品ぞろえが良い家電量販店があるのはとても便利。通販で頼むよりも、店に行って買った方が早いということで、地元の人々からも人気のあるお店です。

ー 自然あふれる芸術への散歩道「用賀プロムナード」ー

いらか道とも呼ばれる用賀プロムナード

用賀には、用賀らしさが凝縮されたステキな散歩道があります。それは世田谷ビジネススクエアから砧公園、そして世田谷美術館を結ぶ歩車共存道路「用賀プロムナード」です。全長は約1キロ。全体の半分をいらか(瓦)をキーワードに設定されており、その区間は「いらか道」とも地元では呼ばれています。

百人一首が刻まれているようす

用賀プロムナードには、1から順に百人一首が路面や壁面などに記されています。お散歩をしながら様々な場所に刻まれている百人一首を探すのも面白いですよ。どんな意味の句なのだろう? と知的好奇心もくすぐられます。

デザイン性の高いベンチが配置されているのも特徴

プロムナード全体は道ではあるのですが、樹木があり、アートがあり、ちょっと座って休憩できる場所もちょこちょこあり、まるで公園のような雰囲気。こういうところが、上質な住宅街である用賀を象徴しているように感じられますね。

ー 誰もが楽しめる世田谷区を代表する公園「砧公園」ー

緑があふれる砧公園のようす

用賀プロムナードの終点は、世田谷区を代表する公園である「砧公園」です。39平米超もの広さがあり、園内には様々な施設があります。砧公園は大きく分けると2つに区分され、園の東側は広場や運動施設などがあり、西側は谷戸川を中心とした自然が溢れるエリアが広がるのが特徴です。

こどもたちが遊ぶ「みんなのひろば」

園内東側には広い芝生広場が中心にあり、その周りにサッカー場や野球場があります。子どもが遊べる場所もあり、平日でも賑やかな雰囲気です。バラ園や梅林もあり、季節ごとに花が楽しめるのもうれしいですね。

春には満開の花が楽しめるファミリーパーク

園の西側にあるファミリーパークは、広々とした芝生の広場。桜の木々が植えられており、春には桜の名所として多くの人々でにぎわいます。自転車の乗り入れや犬の散歩はNGなので、のんびりと過ごせますよ。ファミリーパークの外周にはサイクリングロードが設置されており、サイクリングやジョギングを楽しむ人々が多いです。

谷戸川に渡されている吊り橋

西側を流れる谷戸川には、23区内では珍しくつり橋が架けられています。吊り橋の上で川のせせらぎを聞いていると、ここは本当に公園の中なのか? と思ってしまうほど。この更に西側にはバードサンクチュアリがあり、野鳥の観察が可能です。

人が集い、公園の中とは思えないほどの壮大な自然が感じられる砧公園。園内を歩いていると、とても気分が晴れやかになりました。実際に訪れると人々に愛される理由がよくわかりますね。

ー 芸術に詳しくなくても楽しめる「世田谷美術館」ー

建築家・内井昭蔵の代表建築でもある「世田谷美術館」の建物

砧公園の北側には、とても美しい建物があります。その建物は「世田谷美術館」です。身近に親しまれる芸術を志向しており、詳しい知識がなくても親しめるように様々な工夫がされています。直感的に「楽しい」「美しい」と伝わってくる作品が多いように感じられます。これからアートに親しみたい、という方には特に良いスポットなのではないでしょうか。

世田谷美術館では、世田谷区にまつわる芸術家の作品を多く蒐集しています。常設展の他に、様々な企画展も開催されており、いつ訪れても新たな発見ができるでしょう。

パティオに面するセタビカフェでお茶をするようす

世田谷美術館内には、カフェの”セタビカフェ”やフレンチレストランの”ル・ジャルダン”など、名店と呼ばれる飲食店があります。美術鑑賞をした余韻に浸りながら、おいしい料理を楽しむのもオススメです。

ー 馬術の魅力に触れるならリニューアルした「馬事公苑」へ!! ー

リニューアルされた馬事公苑

世田谷公園からまっすぐ東側に徒歩10分弱進むと、新たな公園が見えてきます。それは、2023年秋にリニューアルオープンした「馬事公苑」です。馬事公苑は普通の公園とは異なり、中央競馬会(JRA)が管理している施設。国内における馬事振興・乗馬普及の拠点として、様々な馬術競技会やイベントが開催されています。東京オリンピック2020では、馬術の会場として使用されました。

カラフルな遊具があるこども広場

園内は競技場や厩舎、放牧場などの馬関連の施設だけではなく、広いはらっぱ広場、遊具がある”こども広場”、原生林を残した武蔵野自然林があるなど、都市型公園としての役割もあります。馬に興味がある人も、あまり興味がない人も誰もが充分に楽しめる施設、それが馬事公苑なのです。

周囲に観客席が設置されているメインの競技場

馬事公苑は開門時間が決まっています。3月から10月は9時から17時、11月から2月までは9時から16時です。年中無休で開園しているので、いつでも遊びに行けるのはうれしいですね。

正門前に並ぶキッチンカー

馬事公苑正門前のけやき広場には、お昼時になると日替わりでキッチンカーが並びます。この日は薬膳スープ、カリブ料理、クレープのお店が出店していました。

ホットソースがかかったジャークチキン弁当

今回はカリブ料理の店で、ジャマイカの名物ジャークチキンが入ったお弁当を購入しました。お値段は900円。スパイシーに焼き上げたチキンは、豆入りのご飯と相性抜群! 他にもジャマイカ風のぎょうざのようなものや、焼き上げたチキンなどもあり、どれもおいしそうでしたよ。

ー 治安も良好! 静かで暮らしやすい住宅街が広がる用賀 ー

環八通り沿いに建ち並ぶマンション

用賀の住居環境にも、もう少し触れておきましょう。環八沿いや玉川通りなどの大通り沿いには、高級外車のディーラーに混じって中層のマンションが建ち並んでいます。大通り沿いでもしっかりとした造りのマンションならば、外の音は気にならないでしょう。

大通りの内側に広がる低層住宅街

一方、大通りの内側のエリアには低層タイプの集合住宅や戸建などが多いです。とても静かな環境で、ゆったりと穏やかに暮らしたい方にはオススメ。用賀は治安が世田谷区の中で比較してもとても良好で、一人暮らしの女性や子どもがいるファミリーにとても居住地として人気があるのも頷けます。しかも渋谷に直結する上に治安も良好となると、住宅街としての人気を保ち続けるのは当然でしょう。

ー 実は農地が多く、新鮮な野菜に出会える世田谷区 ー

住宅街の中にあるブドウ園

実は世田谷区は、東京23区内では練馬区に次いで2番目に農地が多い区です。用賀の街の中にも、実は畑があちらこちらで見られます。しかも畑だけではなく果樹園もあるなど、内容はとてもバラエティ豊かです。

直売ののぼりが立つ民家

農家の庭先では、採れたての野菜を格安で購入できる直売が設けられていることも多いです。旬のおいしい野菜を気軽に購入できるので、食卓も華やぐことでしょう。中にはスーパーにはなかなか並ばない、珍しいお野菜を育てている農家もあるそうです。

ー 自然あふれる用賀で世田谷ライフを楽しもう ー

砧公園の芝生ひろばのようす

今回は世田谷区にある用賀駅周辺の街歩きをしました。駅前には先端を行くオシャレなオフィスゾーンがありつつも、街全体は木々が多く、とても穏やかな空間が広がっていました。砧公園や馬事公苑などの広大な公園もあり、忙しい都会暮らしで疲れた心を癒してくれる空間があるのはとてもステキです。

穏やかな居住空間が広がりつつも、駅周辺にはしっかりと買い物環境が整っており、わざわざ他の街に出向かなくても日常の買い物が完結するのは嬉しいポイント。しかも価格面もとても良心的なのはありがたいですね。

この記事をきっかけに、用賀の魅力を更に知りたくなった方もおられるのではないでしょうか。そんな方にオススメなのが、マンスリーマンションでのお試し住みです。

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この記事を書いた人

千葉みなと

フリーランス歴15年以上の40代ライター。大学生と高校生の一男一女の母。東京在住。
子どもの手が離れつつあり、今では自分の時間を満喫しています。趣味は散歩、乗り鉄、料理、スポーツ観戦、謎解きイベント参戦。夏は野球(プロアマ問わず)、冬はラグビーを観戦。
青春18きっぷが発売されている期間は、あちこちの列車に乗りに行っています。お気に入りの路線は、JR大糸線・木次線・水郡線など。山越えの列車にロマンを感じています。