街歩き「天王寺」|都市再生計画で劇的に生まれ変わったビッグシティ|vol97

暮らす前に、知っておきたい街のこと。マンスリー48のスタッフが実際に歩いて、住みやすさを紹介する「街歩きシリーズ」。今回は大阪市「天王寺」駅周辺を散策してみました。

―近年、都市再生計画によって劇的に生まれ変わったビッグシティ―

JR「天王寺」駅ホーム。各線のホームが混在しているので、迷わないよう注意

昔は少々ディープで危険な街というイメージが定着していた「天王寺」界隈。しかしそれはもう10数年以上も前の話で、今や天王寺は関西内外、また国内外からも多くの人が訪れる関西有数のビッグシティへと生まれ変わりました。

「あべのハルカス」を筆頭に洗練された巨大ショッピングビルが「天王寺」「阿部野橋」駅周辺をぐるりと取り囲み、緑はそのままに美しく改装された「天王寺公園」が寄り添う豊かな街並み。

大阪にはキタやミナミなど大きくて華やかな繁華街は幾多もありますが、天王寺のように商業施設と広大な自然公園、そして新世界という世界中の人が集まる観光地がすぐ近くに集まっている街は稀かもしれません。谷町筋の坂を上り切れば、「四天王寺」をはじめ由緒ある格式高い寺院が多く建っているのも天王寺エリアの特長。カップルから家族連れまで、老若男女のニーズに応えられる街として高い人気を誇る地域です。

今回は、そんな注目の街「天王寺」界隈を散策しながらその魅力を詳しく解説。遊びも観光も暮らしやすさも、全ての要素がぎゅっと詰まったオススメどころ満載ですよ!

―JR各線、地下鉄2路線。近鉄線に阪堺電車も利用できる巨大ターミナル―

こちらは地下鉄の改札。御堂筋線と谷町線が利用できる便利さが魅力

大阪を代表する三大ターミナルのひとつである「天王寺」駅。大阪市の天王寺区と阿倍野区の区境に位置する同駅は、JR環状線をはじめ関西本線と阪和線の3路線が乗り入れ。「大阪」駅へ約15分、「ユニバーサルシティ」駅まで30分以内で到着します。関西空港へも乗り換えなしの最短40分で直行することが可能ですよ。

大阪メトロは御堂筋線と谷町線のツートップが乗り入れていて、近接する近鉄線「阿部野橋」駅とともに地下通路や歩道橋でつながっています。大阪のメイン地下鉄2路線が利用できるため、「なんば」まで3駅6分、「本町」駅へ11分。官公庁街の「谷町四丁目」駅へも6分というスピーディーアクセスが可能です。

また多くの車が行き交うあべの筋の中央部に「天王寺駅前」停留所を置く阪堺電車(路面電車)は、阿倍野の街を走り抜け帝塚山や住吉方面へ。地上を往来するバスは10以上の路線が利用でき、地方へ発着する高速バスも通っています。天王寺は大阪南部の玄関口として、数多くの主要路線が集まっている街なのです。

近鉄線「阿部野橋」駅は「天王寺」駅からすぐの場所。「あべのハルカス」とも直結しています

谷町筋、玉造筋方面は「北口」から行くと分かりやすいでしょう。谷町筋の坂を登り切れば、「一心寺」や「四天王寺」など天王寺界隈の有名寺院に辿り着きますよ

「天王寺公園」へ行く時は「公園口」から出るとすぐですよ。「あべちか」を通っても、地上の横断歩道を渡っても両方から行くことができます

たくさんの路線が交錯する「天王寺」駅ですが、構内が広く人が地上と地下に分かれているため朝夕のラッシュ時以外はそれほど混雑しません。公園方面、谷町筋方面、阿倍野方面と表示も分かりやすいので迷わず目的地へ向かうことができますよ。駅周辺には各方面に繋がる巨大な歩道橋が架けられているため、信号待ちの混雑も回避できるのがありがたいですね。

―買いたい物はすべて駅周辺でそろう! 大型ショッピングビルが近距離に集結―

巨大な駅ビル「天王寺MIO」は本館とプラザ館の2棟で構成されています

地上300mの超高層ビル「あべのハルカス」をはじめ、「天王寺」駅周辺には大型のショッピングビルがたくさん集まっています。それぞれ特色が異なり、「ハルカス」はその高さを生かした展望台「ハルカス300」が人気。2棟からなる大規模な駅ビル「天王寺MIO」はファッションを中心にグルメやホール、郵便局までが入るメジャーなお買い物どころです。

「あべのハルカス」16階には無料で自由に入れる空中庭園があり、周囲はガラス張りになっているので天王寺の街を眺めることができますよ

空中庭園から見た景色。森のような場所が「天王寺公園」です

「あべのキューズモール」と「ヴィアあべのウォーク」が一体化した「あべのキューズタウン」

ハルカスのあべの側に立地する「あべのHoop」は若い女性向けのファッション専門店が多く入居しています

「あべのHoop」と道を挟んで向かい側に建つ「あべのand」は高級スーパーマーケット「成城石井」や「ロフト」が人気

「あべのキューズモール」は大阪府下最大級の敷地面積を占有する巨大ショッピングモールで、イトーヨーカドーや東急ハンズ、109など約300もの専門店が入居。天王寺界隈で暮らす地元の人からも、デイリー使いできる身近なショッピング施設として親しまれています。「あべのハルカス」の裏手に位置する「あべのHoop」と「あべのand」はハルカスと同じ近鉄グループが運営するショッピングビルで、オシャレな専門店が多く若い層に人気。Hoopは2階連絡通路でハルカスとつながっているため、行き来しやすく便利ですよ。

「天王寺」駅と「天王寺公園」の間に通る谷町筋の地下に広がっている「あべちか」

地下鉄2路線を結ぶ「あべちか」は、キレイに改装されてはいるもののどことなく懐かしさを感じさせる大阪らしい地下街。ファミレスやファストフード店が入っていて、食事やお茶休憩に最適。可愛らしい花時計が置かれた広場が目印です。

また昔の姿のまま今も残る「天王寺駅前商店街」は、昭和感が濃くて何ともいえない味わい深さ。今はもうほとんど残っていない、ディープな頃の天王寺が垣間見られますよ。

「天王寺」駅の北口から出てすぐの場所にある「天王寺駅前商店街」。細い路地を入ると、そこには昭和な街並みがひっそりと息づいています

ホテルと一体化した「ドン・キホーテ あべの天王寺駅前店」。医療品や化粧品が充実した観光地ならではの品ぞろえ

駅から徒歩3分ほどの場所には巨大な「ドン・キホーテ」が。1~6階が24時間営業のドンキ、7~13階がホテルという造り。インバウンド対応としてホテル利用客向けの特典などもあるのだそう。また近くの新世界エリアにも大規模なドン・キホーテがあり。世界各国からの観光客が多い地域ならではですね。

―芝生広場に動物園、美術館も併設の「天王寺公園」―

「天王寺公園」のエントランス。駅改札を出たらすぐそこに見えている距離です

明治42年に開園した「天王寺公園」は、約28万m2もの総面積を誇る大阪有数の都市公園。広大な園内には「天王寺動物園」をはじめ「大阪市立美術館」や「天王寺図書館」、日本庭園に植物温室など様々な施設で構成されています。

約20年前に官民一体となった大整備が敢行され、それまでの治安の悪さは一掃。数年かけて動物園も庭園もリニューアルされ、サッカーコートやレストランを併設した芝生広場「てんしば」がオープン。爽やかな市民の憩いの場として再生しました。終日通行可能だった園内通路は22時~翌朝7時まで閉鎖され、夜間に通行できなくなったことでさらに安全性が向上。「天王寺公園」はみんなが安心して楽しめる、自然美豊かなオアシススポットとなったのです。

園内はとても広いので、マップか案内板を確認しながらでないと迷ってしまうかもしれません

子供連れでも入りやすい「ソライロキッチン」はてんしばが眺められる窓側の席がオススメ

広々とした芝生広場が広がる「てんしば」は、ピクニックや日光浴に最適な憩いの場

「てんしば」を抜けると「天王寺動物園」のエントランスがお出迎え。こちらは正面ゲートとは異なる公園ゲートです

動物園はチケットがあれば再入場可能なので、お隣の「イーナ」で休憩を挟みながら遊ぶのもいいですね!

「あべのハルカス」を眺めながらのんびり日向ぼっこできる「てんしば」は、家族連れに大人気。ドッグラン併設のレストランやオシャレなカフェ、フラワーショップにサッカーコートまで完備され、休日にはたくさんの人であふれています。「天王寺」駅から「てんしば」を突っ切った場所にあるのが「天王寺動物園」と「てんしばイーナ」。イーナ内には飲食店のほかに動物関連のグッズショップやアクティビティ施設、イベント広場などがあり動物園を出た後も楽しめる遊び場ですよ。

もっと大人の楽しみ方を望む方には旧住友家の名園「慶沢園」や「茶臼山」、「大阪市立美術館」がオススメ。四季折々の花や桜、紅葉の美しさに触れて心が和みますよ。木漏れ日を浴びながら、ゆったり園内を散歩するのもいいですね。

平安時代に造られたという「河底池」。池の向こう側の「茶臼山」にある高級料亭では精進料理が味わえます

残念ながら現在は大規模改修工事中の美術館。2025年春に再開される予定です

美術館前の階段上から眺めると通天閣が見えますよ。ここから新世界までは歩いて5分程度の距離

―関西屈指の観光地になった「新世界」は串カツの名店がずらり―

御堂筋線「動物園前」駅で下車すれば、すぐの場所にある新世界の入口

かつてはおっちゃん達がたむろしていたディープ過ぎる街が、今や国内外から観光客が押し寄せる華やかな観光地に生まれ変わった「新世界」。「天王寺」駅からは「天王寺公園」を突き抜けて歩けば10分以内で着く距離です。また隣駅の「新今宮」駅や「動物園前」駅、堺筋線「恵美須町」駅からは徒歩1~3分で行けますよ。

街のど真ん中にはなにわのランドマーク「通天閣」がそびえ立ち、ふもとには名店から観光客向けの大衆店まで数多くの串カツ店がところ狭しと軒を連ねています。 “世界の大温泉”こと「スパワールド」や食い倒れ商店街「ジャンジャン横丁」、外国人観光客に大人気のスマートボール店やちょっぴり懐かしいゲームセンターが、狭いエリアの中にぎゅうぎゅう詰めになった新世界界隈。

足の裏をこすると幸せになれるという「ビリケンさん」がそこかしこに鎮座していて、フォトスポットとして行列ができるほど人気を呼んでいますよ。天王寺エリアに遊びに行った際は、ぜひ立ち寄って欲しい街です。

休日や長期休暇には連日多くの観光客でごった返す新世界。飲食店の呼び込みが激しい

射的やスマートボールで遊べる店舗もいっぱい。単純な楽しさが外国人観光客にウケているようですよ

新世界と言えば串カツの名所。観光地だけに、お店によって味の当たり外れがかなり大きいので要注意。テーブルにどーんと置かれたソースの場合、二度漬けは禁止です!

元々は通天閣の展望台にいた幸福の神様「ビリケンさん」も、観光地移行にともない街の至る所に降臨されました

世界各国をイメージした温泉や温水プールが人気の「スパワールド」。ホテルも併設しています

―聖徳太子建立の「四天王寺」をはじめ由緒ある寺院が点在―

ビルとビルの合間に突如現れる「四天王寺」。一歩中に足を踏み入れれば、重厚感あふれる静寂な空間が広がっています

日本の仏教発祥の地であり、最古級の歴史を持つ「四天王寺」はご存知ですか? はるか昔、聖徳太子が建てたという「四天王寺」は、まだ天王寺界隈がただの山だった頃からこの地で時を刻んできた和宗総本山の寺院です。数々の戦乱や災害によって何度も焼失と再建を繰り返してきた同寺の五重塔は、現在の姿が8代目。一般公開されているので、中に入って鑑賞することもできますよ。

また夜のライトアップも街の夜景とは一味違う趣で一見の価値大。広い境内には様々なご利益があるお堂が点在しているので、ぜひ参拝してみてくださいね。「四天王寺」がこの地にあったことから、天王寺エリアには今も数多くの寺院が建っていて、「一心寺」や「愛染さん」などは特に人気の高いお寺です。

―生活感あふれる阿倍野エリアは大小様々なマンションが建つ地域―

「キューズモール」の近くに建つ「あべのベルタ」には大型の「関西スーパー」が入っています

「天王寺」駅から歩いて7分、谷町線「阿倍野」駅周辺に位置する「あべの」エリア。天王寺の再開発による利便性を受けつつも、昔からこの場所で続いてきた人々の生活感も感じられる地域です。大通り沿いの歩道にはアーケードが続いていて雨の日でも安心。近辺には中高層マンションが多く建ち並んでいます。一歩通りを入ると古い戸建てもたくさんあり、天王寺エリアとはまた違った静かな住宅地が広がっていますよ。

あべの筋沿いに広がるあべのの街には、路面電車の阪堺線が走っています

大通りに沿ってマンション群が連なっています。スーパーマーケットや小売店が多く生活用品のお買い物にも便利

―交通便も良く、便利で楽しい天王寺は住みやすいオススメの街―

今回は天王寺の街をご紹介しましたがいかがでしたか? 安全で快適な街として生まれ変わった天王寺は、市内外への交通便も良くショッピングにも便利なため、女性の一人暮らしにもオススメです。駅周辺は深夜まで営業している飲食店が多いので、梅田やミナミまで行かなくてもご近所で食事できるのがうれしいポイント。

スーパーマーケットやドン・キホーテ、100均もそろっているので生活用品のお買い物にも困ることはありませんよ。関空まで直行電車が出ていることや高速バスも発着するため、出張や旅行が多い人にも便利な場所ですね。

気になる街を見つけたら、まずはマンスリーマンションで「お試し住み」をしてみるのはいかがでしょうか。マンスリーマンションであれば、敷金不要で家具家電が最初からそろっており、新しい場所で一人暮らしをスタートするのにぴったりですよ。ぜひ、気になる街を見つけてマンスリーマンションをチェックしてみましょう!