街歩き「日暮里」|レトロな商店街と高層ビルが調和する、不思議な街|vol75
暮らす前に、知っておきたい街のこと。マンスリー48のスタッフが実際に歩いて、住みやすさを紹介する「街歩きシリーズ」。今回は日暮里駅の周辺を散策してみました。
ー 「日暮里」ってどんな街? ー
日暮里は、荒川区の最南端にあるエリアです。街の中心駅の日暮里駅は台東区との境に立地。東口は荒川区東日暮里、西口は台東区入谷の住所が充てられており、それぞれ街の雰囲気も大きく異なります。
日暮里駅は地味な印象を持たれがちですが、実はJR山手線・京浜東北線・常磐線(東京上野ライン)、京成本線・京成スカイライナー、日暮里舎人ライナーの3社6路線が乗り入れるターミナル駅でもあります。
東京下町散歩の人気エリア「谷根千」の谷中エリアや、服飾関係者が集まる「日暮里繊維街」など、特徴的なスポットも多く集まります。そんな日暮里の街をさっそく散策していきましょう。
ー 東京の重要路線・山手線も乗り入れる「JR日暮里駅」 ー
JR日暮里駅は、東京のJRの主要路線である山手線の所属駅であり、郊外からの通勤路線の京浜東北線や常磐線も乗り入れもある、とても賑やかな駅です。山手線の中では地味な駅にカテゴライズされがちですが、実際に駅に降り立ってみると人の行き来も多く、とても賑やかな雰囲気です。
JR日暮里駅には、山手線が乗り入れています。この山手線を利用すれば、都内の主要駅に乗り換えなしでアクセスが可能です。内回りを利用した場合、「池袋」駅に13分、「新宿」駅に22分、「渋谷」駅に28分で直行。外回りを利用した場合は「上野」駅に4分、「東京」駅には12分、「品川」駅に25分でアクセスができます。
京浜東北線もJR日暮里駅には乗り入れています。各駅停車のみ乗車が可能。山手線とは外回りの品川駅まで並行して運行しています。東京や品川へ向かう場合には、山手線か京浜東北線で早く来た電車にそのまま乗れば問題はないです。品川駅から先、大井町駅や川崎駅などに向かう場合には、京浜東北線を利用しましょう。
上野駅から千葉県・茨城県方面などへ向かう常磐線、日暮里駅へ乗り入れています。上野駅まで行くだけならば、タイミングが合えばこの常磐線の利用もオススメ。なぜなら山手線・京浜東北線へ乗り換える乗客が日暮里では多く、上野駅までは車内がかなり空くからです。
また常磐線には「上野東京ライン」という種別もあり、東京駅を経由し、品川駅まで快速運転で運行しています。停車駅が少ないので、日暮里駅から品川駅まで向かう場合はこの東京上野ラインが再速達の22分で直行可能です。
JR日暮里駅構内には、商業施設の「エキュート日暮里」もあります。カフェや雑貨店、テイクアウト専門の惣菜店や洋菓子店など、食品を中心としたテナントが入っています。ちょっとした自分へのご褒美や、忙しい日の夕食などを駅の中でさっと買って帰れるのは便利ですよね。
ー 成田空港まで最速36分!「京成電鉄日暮里駅」 ー
京成上野駅から成田空港までを結ぶ「京成電鉄京成本線」。日暮里駅はその京成上野駅の隣駅です。京成上野駅が他の路線から離れた場所に位置していることから、JRからの乗り換えはこの日暮里駅の方が多く、駅としてもとてもにぎわっている印象。
駅は3層になっており、1番下の層がのぼり方面ホーム、真ん中の層が改札階、1番上の層が下り方面のホームが設置。下り方面スカイライナーは、改札内に更に専用の改札があります。
京成の日暮里駅と言えば、やはりスカイライナーでしょう。成田空港まで最速36分でダイレクトアクセスが可能です。国際線・国内線が多く発着する成田空港には、LCCも多く乗り入れています。そんな成田空港に気軽にアクセスできるのは、とても大きな魅力と言えるでしょう。
京成本線の快速を利用すると「京成上野」駅には1駅4分、「青砥」駅に11分、「京成高砂」駅には12分で直行。「千住大橋」駅や「堀切菖蒲園」駅などへ行く場合には、各駅停車を利用するとよいでしょう。
ー 東京北部と都心をつなぐ「日暮里舎人ライナー日暮里駅」 ー
日暮里駅を起点とし、足立区の「見沼代親水公園」駅を結ぶ「日暮里舎人ライナー」。どちらかと言えば、足立区方面から日暮里への通勤通学需要が多い路線です。
でも実はレジャー目的ならば、日暮里からの利用者にとって魅力的な路線となります。
日暮里舎人ライナーの沿線には「舎人公園」駅という、舎人公園の最寄りの駅があります。舎人公園内には手ぶらでBBQができるエリアがあり(予約は必要)、日暮里から20分ほどでアクセスできるのは魅力です。63ヘクタールもの敷地面積で、自然もたっぷりある舎人公園でのBBQは、都心での忙しい生活を忘れさせてくれることでしょう。
ー レトロな雰囲気が観光客にも人気「谷中銀座商店街」 ー
それでは日暮里駅西口エリアを中心に街を散策していきましょう。まずは西口エリアのランドマークである「谷中銀座商店街」を散策します。
日暮里駅西口から徒歩数分、御殿坂を緩やかに下ってくると、階段が現れます。「夕焼けだんだん」という名称の階段で、谷中銀座商店街のシンボル的な存在です。
実は筆者は20年ほど前にこの近所に住んでいました。当時、この階段付近は夜になると多くの野良猫が集まっており、いつの間にか口コミで谷中銀座は「猫の街」として大人気に。保護活動の努力が実り、今では野良猫の姿を見かけなくなりましたが、猫モチーフの雑貨や食品は未だ谷中銀座では人気があります。
それでは、谷中銀座の人気店をご紹介していきましょう。
「やなか しっぽや」は、猫のしっぽをモチーフにした焼きドーナツのお店です。インスタ映えするかわいらしさは、猫好きの人々に人気です。素朴な味わいが魅力。
ワインとお酒とコーヒーが楽しめる「ICHIGOYA谷中銀座店」。小さなワインバーです。セルフタイプで1コインでワインが楽しめるので、気軽に立ち寄れるのがうれしいです。
トルコランプの販売・製作体験ができる「ZAKUROらんぷ家」。店の中は少し暗めで、その為トルコランプの美しさが更に際立ちます。
谷中エリアはあまりスーパーマーケットが多くなく、生鮮食品を購入できる店が限られています。そんな谷中エリアでは「のなかストアー」がとても貴重な存在です。生鮮食品が一通り購入できるので、地元の人を中心に多く利用されています。
谷中銀座で特ににぎわうお店は、「肉のサトー」ではないでしょうか。名物の「谷中メンチ」を食べながら散策するのもいいですね。地元客から観光客まで、幅広く人気があるお店です。
和栗を使用したスイーツで評判の高い「和栗や」。いつでも店の前には行列ができています。でも並んででも食べたい!思うほどのおいしさなのです。特にモンブランやパフェがオススメ。テイクアウトでおこわなども注文が可能です。
ー 実力派の飲食店が揃う「よみせ通り商店街」 ー
谷中銀座を出で突き当ると、横切るその道もまた商店街です。その名は「よみせ通り商店街」。観光的には谷中銀座ほどのネームバリューはありませんが、こちらは地元の人々が利用する、地味ながらもおいしい実力店が揃うのが特徴です。
オレンジ色のレトロな外観が目を引く「キッチンマロ」。むかしながらの電話番号の表記から、昭和の印象が漂いますね。
こちらは老舗の洋食店で、長年地域の人々に愛されています。何を食べてもおいしいのですが、アツアツの鉄板で出てくるハンバーグが人気があるようです。
文京区西片に本店がある人気のパイのお店「マミーズ・アン・スリール」は、よみせ通り商店街にも支店があります。こちらの谷中店も大人気で、いつも人が絶えません。
一番人気があるのは「アップルパイ」。素材の味を十分に引き出して、素朴ながらも味わい深いのが特徴です。
黒毛和牛や国産牛にこだわったハンバーガーを提供している「MUSECA TIMES」。パティに肉そのもののうまみがあります。野菜が多くサンドされている他、サラダもワンプレートに乗っているので、たくさん野菜を食べたい人にもオススメのお店です。
ー 日本の美術史の一端に触れられる「朝倉彫塑館」 ー
彫刻家の朝倉文夫の美術館が谷中にあります。自宅兼アトリエだった場所を美術館に改築。日本を代表する彫刻家の作品を身近に感じられます。レトロな雰囲気の漂う館内も、建築として見ていてとても楽しいです。
ー まるでインドの王族の家!?「ダージリン」 ー
日暮里駅から谷中銀座へ歩いていくと、谷中銀座の手前に独特な雰囲気のお店が右手に見えてきます。このお店は、日暮里で大人気のインド料理店「ダージリン」。いつも行列しているのですが、月曜日の昼前のためか空いている様子。せっかくなので入ってみましょう。
店内はとにかくゴージャス。まるでインドの王族のおウチに遊びに行ったかのような雰囲気です。豪華な調度品がしつらえてあります。このインテリアを目的にお店に通う人も多いそうです。
私が注文をしたのはチキンカリー(1200円)、ナン(400円)、ラッシー(600円)です。ラッシーを注文したら「パパド」という、ジャガイモで作った薄焼きせんべいが出てきました。スパイシーでパリパリしていて、とてもおいしかったです。出てきたラッシーはとても大きくて、ビックリ!
しばらくするとナンとカレーもやってきました。ナンもかなりサイズがあり、おそらく長辺は30センチ以上あると思われます。二人連れの場合は、二人で1枚くらいでもちょうどいいかもしれません。カレーは思っていたよりは辛くなかったです。でもスパイスと味わい深さが感じられて、本場の味だなと感じました。
カレーを食べ終えて一息ついていると、「初めての来店の方にサービスです」と紅茶を提供されました。お店の名前がダージリンなのでダージリンティーかと思ったらそうではないそうで、お店でオリジナルに調合した紅茶なのだそう。
ポットにはたっぷり4杯分もの紅茶が入っていました。最初はストレートで、味が濃く出だしたらミルクティーにしていただくと、ちょうど味わいが良かったです。
ー 日暮里駅西口エリアはここもオススメ ー
他にも西口エリアにはステキなスポットがあるので、見ていきましょう。
谷中銀座の手前で左方向の路地に入るとあるのが、「薬膳カレーじねんじょ」です。単にスパイシーなだけではなく、体によさそうな感じの味がするカレーが食べられる人気店です。テイクアウトもあるので、お店が混んでいるときにはお持ち帰りがオススメです。
日暮里駅の谷中エリアを歩いていると、レトロな建物も多く目につきます。これも谷中散歩の醍醐味ですね。出桁造りと呼ばれる建物が、街のノスタルジックな雰囲気づくりをしているように感じられます。
谷中霊園に面したマンションの一画に「幸田露伴居宅跡」がありました。さすが文人に愛された街、谷中ですね。
谷中エリアでも大通りに面している場所にはマンションがありますが、路地に入ると戸建の住宅が多く見られます。マンションがあっても3階程度の低層の場合が多いです。人通りも少なく、とても静かな環境で暮らしやすいでしょう。
ー 高層ビルも林立する東口エリア ー
レトロな日暮里駅とは一転、東口エリアは高層ビルが立ち並ぶ、とても都会的なエリアです。さて、どのような街なのでしょうか。早速見ていきましょう。
ー 東口のランドマーク「ステーションガーデンタワー」 ー
日暮里駅東口でメインとなる建物は「ステーションガーデンタワー」です。荒川区内で最も高い建築物です。地下2階地上40階で、店舗やオフィス、住宅で構成されています。
低層エリアには多くのテナントが入っており、駅前の利便性を押し上げる存在です。
1階には「マルマンストア 日暮里店」が入店しています。深夜1時まで営業しており、深夜でも生鮮食品が手に入る貴重なお店です。価格帯もかなりお得感があるので、普段使いのスーパーマーケットとして最適でしょう。
3階には大手牛丼チェーン「松屋」もあります。朝8時から23時半まで営業。キャッシュレス決済もできるのでとても便利です。特に男性客でにぎわっているようです。
4階には「EDWIN DENIM GALAXY 日暮里店」があります。日本を代表するデニムブランド「EDWIN」の本社は、ここ日暮里にあります。日暮里の街中に他にも直営店はありますが、このデニムギャラクシーが一番店舗面積が広く、品ぞろえも豊富です。裾直しを短時間で対応してもらえるのも魅力です。
ー ものづくり好き集まれ!「日暮里繊維街」 ー
日暮里中央通り沿い約1キロほどの範囲に「日暮里繊維街」があります。生地織物の問屋が多く立ち並び、服飾関連の小物や副資材を扱うお店も集まります。日中の時間帯は、洋裁が趣味の個人客、夕方になるとファッション系の専門学校に通う学生でとてもにぎわいます。
日暮里繊維街を代表する「TOMATO」。繊維街に全部で5店舗を展開しています。服地からインテリア系のテキスタイルなど、様々な織物を扱っています。本館の1階は特価フロアとなっており、お得な布地がたくさんありますよ。
「やまよ」は洋裁材料と生地を扱う問屋です。紐やボタン、裏地など、副資材が豊富です。生地だけではなくいろいろと買いそろえることができるのは、やまよの魅力と言えるでしょう。
女性の姿が多い日暮里繊維街ですが、革を取り扱う「革のAnd Leather」は、男性の姿も多く見かけるお店です。大きな一枚革からはぎれまで、さまざまな革の取り扱いがあります。鋲などの副資材や革細工用の針や糸の取り扱いもあるのも魅力です。
数店舗のみのご紹介になってしまいましたが、これら以外にも本当にたくさんの問屋さんが立ち並びます。興味のある方はぜひ、足を運ぶのはいかがでしょうか。
ー 露天風呂もある銭湯「斉藤湯」 ー
日暮里には下町文化が多く残されており、銭湯ももちろん街の中にはいくつかあります。その中でも特に私がオススメしたいのが「斉藤湯」。貸しタオル20円、貸しバスタオル30円、シャンプーやボディーソープは備え付けであるので、手ぶらでふらりと銭湯に入りに来られるのです。
高濃度人工炭酸泉、露天の岩風呂はシルキー風呂(超微細粒気泡風呂)、ジェット、電気風呂、あつ湯の湯船とバリエーションが豊富。広いお風呂でゆったりリラックスをするのはいかがでしょうか。湯上りには生ビール(500円)も斉藤湯では楽しめますよ。
ー 文人も愛した老舗団子店「羽二重団子」 ー
日暮里の名物と言えばやはり「羽二重団子」でしょう。羽二重団子は少し平たい串団子で、醤油味の「焼き」とシコシコした食感のこしあんを使用した「餡」の2種類があります。
夏目漱石や正岡子規、泉鏡花、田山花袋など名だたる文豪の作品に、「芋坂の団子」としてこの羽二重団子は登場します。特に正岡子規の俳句には多く登場しており、子規の大好物であったことが伺えます。
お土産としてはもちろん、本店の中でお茶と共に羽二重団子をいただけます。文人の愛した味を堪能するのもオススメです。
ー 東口エリアの緑のオアシス「日暮里南公園」 ー
竹台高校のすぐ近くに、木々が多く映えるスポットがあります。そのスポットの名は「日暮里南公園」です。芝生の面も広くとられており、天気が良ければピクニックを楽しむ人の姿も見られます。建物が密集して建てられているエリアの中の、いわばオアシスのような存在です。
大型の遊具が複数あり、子供たちが遊ぶ姿も見られます。公園は広いので、大人がウォーキングをしている方の姿も見られます。芝生でまったりと過ごすもよし、アクティブに活動するもよし、と利用方法が多くあるのも日暮里南公園の特徴と言えるでしょう。
ー 治安対策もバッチリの東口エリア ー
日暮里駅東口エリアである荒川区では、通学路への監視カメラの設置を進めています。子供たちに対する安全はもちろんのこと、地域の治安向上への一端を担っていると思われます。監視カメラがあることにより、老若男女問わず、より安心して道を歩ける環境は嬉しいですね。
道幅の広い通りの多い日暮里駅東口エリアですが、一歩路地に入れば、低層の住宅が立ち並ぶ閑静な環境が広がります。夜でも比較的人通りの多い大通り沿い、閑静な路地どちらもそれぞれに良さがあるので、好みでおウチ探しをするのがいいでしょう。
ー 都会と下町どちらも楽しめる街・日暮里 ー
今回は日暮里の街を散策してきました。レトロな雰囲気が残る下町の西口・谷中エリア、そして高層ビルも立ち並ぶ都会的な東口エリアと東西で全く性格の異なる街が広がっていました。どちらの街もそれぞれに良いところがあり、甲乙つけがたいですよね。
今回の街歩きがきっかけで、「日暮里」という街に興味を持たれた方もおられるでしょう。そんな方にオススメなのが、マンスリーマンションでのお試し住みです。
マンスリーマンションでお試し住みすれば、通勤・通学へのアクセス性や気になるお店も、じっくりチェックできますよ。もちろん、敷金不要で必要な家具家電はすべて揃っていますので、面倒なお引越しも必要ありません。お部屋探しからお引越しまで2日あれば完了します。気になる街のマンスリーマンションもぜひ、チェックしてみてくださいね。