一時帰国する前に知っておきたい!部屋探しの注意ポイント

海外に暮らす人が一時的に母国へ帰る、一時帰国。その宿泊先は、長旅で疲れた体を休ませる場所でもあり、仕事をしたり、リラックスして過ごしたりする場所でもあります。つまり一時帰国において宿泊先選びは重要です。

コロナ禍では、通常の一時帰国とは違った対応が求められるようになりました。マンスリーマンションは自主隔離先の候補としても推奨されています。そこで今回は一時帰国をする前に知っておきたい部屋探しのポイントについて、コロナ禍での対応を交えながらご紹介します。

一時帰国の理由はさまざま

一時帰国とは、駐在やその帯同、留学、移住などの何かしらの理由で海外に居住している人が、一時的に母国へ帰ってくることを指します。居住理由が人それぞれ異なるように、一時帰国の理由もさまざまです。

出張や研修のため

海外駐在員は、本社および取引先への出張や、本社で受ける研修のために帰国することがあります。滞在期間は、1週間から、長くても1ヶ月程度であることがほとんどでしょう。家族が赴任先へ帯同している場合や独身の場合など、事前に住まいを引き払っている人は、滞在先を確保しなければなりません。

休暇を母国で過ごすため

海外で働いている人や留学している人の中には、休暇を日本で過ごす人も多いでしょう。海外駐在員に対して、「ホームリーブ」と呼ばれる制度を導入している会社も多くあります。ホームリーブとは、本社が交通費の一部または全額を負担して、駐在員を母国に帰国させて休養をとらせること。

駐在員であっても、休暇中は基本的に本社への出社義務はないため、住まいは場所を問わず自由です。実家や自宅でのんびり過ごす人もいれば、国内旅行に出かける人もいるでしょう。

※会社によっては一時帰国時に、年に1回の健康診断を本社で受けさせる場合があります。

本帰国に向けた準備をするため

日本への本帰国のメドがたつと、帰国後の住まい探しや子どもの学校探し、諸手続きなどあらゆる準備が必要になります。ネット上で完結することもありますが、自分の目で新たな住まいを見たり、直接話を聞いたりしたい場合は一時帰国するのも選択肢の1つです。

子どもの受験に付き添うため

海外で暮らしている子どもが日本の大学へ進学する場合は、受験のために一時帰国をする必要があります。とくに土地勘がない場所へ行く際は、保護者が付きそうことも多いでしょう。なおアメリカを始めとする諸外国へ18歳未満や一定の年齢未満の者が単独または片親の同伴で入国する際には、親の「渡航同意書」の携行が推奨されています。

一時帰国の住まいの選択肢とは?

一時帰国の住まいは、その理由や目的によっても異なります。宿泊先によって変わり得る、滞在中の暮らし方。自分にとってストレスがなくて快適な場所や、予算に見合う場所を選ぶことが大切です。

ホテル

短期間の滞在である場合は、ビジネスホテルを含むホテルの利用を考える人が多いでしょう。一時帰国の目的が出張や研修であれば、本社や訪問先の近くや、空港へのアクセスのよいホテルがオススメです。自炊はできませんが、必要なアメニティは揃っているため、帰国時の荷物も最小限で済ませられます。

実家や親類宅

休暇中はのんびり実家や親類宅で過ごす、という人も一定数いるでしょう。長期滞在であれば、実家を拠点としながら旅行をする人もいるかもしれません。ただしコロナ禍のような緊急事態時は「親族の元へさえも気軽に帰れない」ということも。2週間の隔離期間後も自主的に、実家や親類宅への滞在を避けている人もいるようです。

ゲストハウス

滞在中にさまざまな予定があって各地を転々とする場合や、宿泊費を少しでも抑えたい場合は、ゲストハウスも選択肢の1つ。寝室は個室を選べる物件がある一方で、お風呂やトイレ、食事スペースなどは他の宿泊者と共用であることがほとんど。プライベート空間を持ちにくいですが、他者との交流を通して新たな出会いや発見のチャンスがあるでしょう。

マンスリーマンション

生活に必要な家具や家電、日用品が揃っているマンスリーマンション。衣類や仕事道具などの最低限の持ち物で気軽に入居でき、必要に応じて自炊ができるのも選ばれる理由です。コロナ禍のように外食が難しい状態だと、特に重要ですね。まるで自宅にいるかのようにリラックスして過ごせる環境が何より魅力です。

一時帰国用の住まい探しで注意すべきポイントとは?

一時的な滞在であっても、住まい探しは重要です。移動や仕事に支障が出ない立地や、快適に過ごせる環境を選ぶなど、以下のポイントを押さえておきましょう。

エリアや立地、周辺環境は問題ないか

帰国中の予定に合わせて、滞在エリアは移動に便利なところを選ぶ必要があります。頻繁に移動する予定がある場合は、駅からの近さも重要です。ただし昇降者数の多い駅の近くや繁華街の近くは、夜遅くまで騒がしい可能性もあるため注意しましょう。

とくに長期滞在の場合は、徒歩圏内に飲食店やスーパー、コンビニがあることを要確認。土地勘がない場合は、グーグルマップも活用しながら、周辺状況について事前に確認しておくことをオススメします。子どもを連れている場合は、近くに公園や子ども向けの施設があると長期滞在中も過ごしやすいでしょう。

テレワーク環境が整っているか

滞在中に仕事をする予定がある人は当然、ネット環境が整っている住まいを選ぶ必要があります。ネットが使えるだけではなく、通信速度が速いことや無制限で使えることがポイントです。専用のデスクやチェアがあると、仕事もしやすいでしょう。

防音性は高いか

防音性の高さは、快適性に直結すると言っても過言ではありません。とくに一時帰国中も仕事の予定がある場合は、防音性の高い物件の方が騒音に悩まされることなく、快適に仕事ができるでしょう。防音性が高い住まいであれば、時差がある国とも時間や音量を気にせずにビデオ会議をすることも可能です。

また小さな子連れの場合も、防音性が高ければ安心。子どもが泣いたり大きい声を出したりする度に神経をすり減らさずに済みます。大人も子どもも、外や近所からの騒音に悩まされなければ、夜もよく眠れるでしょう。

長期滞在に適しているか

数週間~数ヶ月に及ぶ長期滞在の場合は、住まい探しにも工夫が必要です。毎日外食をするよりも、自炊をする方が体にも優しく、経済的。気軽に洗濯ができるか否かも重要なポイントです。

仕事をするにしても、休暇を楽しむにしても、生活そのものに疲れてしまっては、せっかくの一時帰国を満喫することはできません。滞在が長ければ長い程、「いかにリラックスして過ごせるか」が大切になってきます。特に子連れの場合は、「自宅のように過ごせる環境」の方がよいでしょう。

海外からでもスムーズに契約できるか

一時帰国に関する諸々の手配は、基本的にネットを使って海外から行います。海外からであっても、契約者本人だけでスムーズに契約ができるところを選びましょう。具体的には、「保証人や日本での就労証明、収入証明が不要」であるか否かがポイントです。

ホテルであれば、ネットから簡単に予約が可能。マンスリーマンションもほとんどの場合、保証人やその他の証明は不要です。ただし保証人が不要の場合も、緊急連絡先の提供は求められることがあります。

コロナ禍の一時帰国。注意点とは?(2022年3月時点の情報)

従来の一時帰国とは大きく異なる、コロナ禍での帰国。感染拡大防止対策、および水際対策の一環として帰国後の行動には一定の制約が伴います。後からトラブルにならないよう、事前に注意点を確認しておきましょう。

状況の変化により、水際対策は刻一刻と変わっています。長期間、帰国の翌日から14日間は、自宅はホテル、マンションでの自主隔離が求められていましたが、2022年3月から大幅に緩和。現在は、指定された一部の国以外かつ、ワクチンを3回接種している場合は、入国時の自主隔離は不要になりつつあります。詳細は、厚生労働省のホームページなどで、最新情報をチェックしてください。

再渡航の見通しが立たず、長期滞在になる可能性がある

当初の想定よりも長い滞在になったときは、その分だけ宿泊先の手配もしなければなりません。複数の場所を転々とするよりも、慣れてきた場所で延長できる方がよいでしょう。コロナ禍での一時帰国では、長期滞在になることも見据えながら宿泊先を選ぶ必要あります。

一時帰国にはマンスリーマンションがオススメ

一時帰国の宿泊先には、プライベートな空間が保てて自宅のように自炊や洗濯ができる、マンスリーマンションがオススメです。長期滞在の場合は1日あたりの宿泊費が安くなるという利点もあります。宿泊料やレンタルオプション代の割引など、お得なキャンペーンを行っていることも。運営会社によっては、長期滞在者に対して優先的に空室の紹介をするため、宿泊延長もしやすいです。

自宅さながら気楽に過ごせるマンスリーマンションに滞在し、ストレスフリーの状態で久しぶりの母国滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか。