マンスリーマンションにずっと住みたい方は必見!注意ポイント、賃貸との違い。

マンスリーマンションはお部屋に家具や家電がそろっているため、少ない荷物での入居ができます。インターネット環境も整っているお部屋もあり、新生活が始めやすい物件ですよね。

何でもそろっている快適さに「普通の賃貸はたいへんそう・・・。ずっとこのままマンスリーマンションに住みたい」と思う方もいるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、マンスリーマンションに住み続けるメリットや注意点を詳しく解説。少しでもお得に住める方法も紹介しています。「マンスリーマンションに長く住みたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

マンスリーマンションにずっと住むのは可能?

「マンスリーマンションにずっと住めるのか?」という疑問への回答は「できます」。しかし住み続けるには、マンスリーマンション特有のシステムを理解しておくことがポイントです。ここでは、マンスリーマンションのならではのシステムについてご紹介します。

家賃は前払いが多い

通常の賃貸物件では、家賃は毎月支払いますよね。月末に来月分の家賃が引き落とされる、もしくは指定口座に振り込むという形が一般的ではないでしょうか。しかしマンスリーマンションの場合は、一括で前払いするところがほとんどです。最初にすべて払い込むため毎月の負担がない点は嬉しいポイント。マンスリーマンションに住んでしまえば、家賃による家計への負担はないでしょう。

ただ一括でたくさんのお金を支払うのは厳しいという方も。賃料の支払いは分割払いやクレジットカード払いに対応している会社も中にはあります。マンスリーマンションに住みたいけれど、お金の支払いが厳しい方は一度相談してみると良いでしょう。ただし基本は「一括で前払い」ということを覚えておきましょう。

入居期間を最初に設定

どれくらいの期間、マンスリーマンションに住もうと考えていますか。マンスリーマンションで暮らす場合、契約時に入居期間を最初に設定します。賃料を一括で前払いするシステムなので、「どれくらい住むのか」が決まっていなければ算出できませんよね。住む期間を途中で変更したいという場合は、管理会社にまずは相談してみましょう。

マンスリーマンションが最初に入居期間を決めるのは、契約形態が通常の賃貸と異なることが原因です。通常の賃貸では「普通借家契約」と呼ばれる、いつまで住むのか期間の定めがない契約がほどんどです。住む期間が1年や2年といった契約を結んだ後は、退去手続きをするまで更新ができます。「契約期間が過ぎたから出ていってほしい」と言われません。

しかし最初に入居期間を決めるマンスリーマンションは、「一時使用目的の定期借家契約」を結びます。契約期間に達すると退去しなくてはいけません。

契約延長が困難なケースあり

マンスリーマンションでの暮らしが気に入り、契約期間を当初より延長をしようとしても困難なケースがあります。「お金を追加で払えば問題ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかしマンスリーマンションは最初に入居期間を決めて契約する性質上、必ず退去する前提です。今住んでいる部屋の契約期間が終わったら、すぐに次の入居者が決まっている可能性があります。

延長したい場合の申し出については、管理会社に確認してくださいね。同じ部屋に住み続けるのは難しい場合でも何か対応策があるかもしれません。同じ建物の別の部屋や似たような間取りの部屋を新たな住まいとして提案してもらえることも。「いつまでに期間延長の申し出が必要なのか」をぜひ把握しておきましょう。

マンスリーマンション暮らしを選ぶメリット

マンスリーマンション暮らしは、通常の賃貸物件にはないメリットがたくさんあります。もちろん、契約の形態が通常とは異なっていたり家賃の一括で前払いしたりなど注意が必要なポイントはあります。しかしそれ以上に魅力を感じる点がたくさん。どんなメリットがあるのかを知り、前向きに検討してみませんか。

敷金礼金が不要

マンスリーマンションには敷金や礼金がかかりません。通常の賃貸物件では敷金と礼金にそれぞれ家賃の1〜2ヶ月分の費用が発生します。新生活を始める前に数十万円もの出費があるのはつらいですよね。「初期費用を抑えて新生活をゆとりある暮らしにしたい」と考える方に、マンスリーマンションは向いているでしょう。

通常のお部屋探しでは初期費用の支払いを考えて、間取りや駅までの距離などの条件よりも家賃を優先していませんか。敷金と礼金が不要のマンスリーマンションなら、自分が住みたいお部屋の条件を最優先にして探せますよ。広い間取りや駅まで徒歩圏内など理想の暮らしができるお部屋を見つけましょう。

手続きが簡単

入居に関連した手続きが簡単にできることもマンスリーマンションをおすすめする理由です。通常の賃貸物件では、入居審査だけでも1週間前後の時間が必要に。しかしマンスリーマンションはお部屋探しから入居までが2日程度で終わるため、思い立ったらすぐに行動できます。急な異動辞令が出てしまい「お部屋探しをゆっくりしている暇がない・・・」と焦っている方にピッタリではないでしょうか。

また入居審査のハードルの低さも魅力の一つです。入居審査はありますが、保証人不要の物件がほとんど。申込書と本人確認書類、緊急連絡先などがあれば審査は進められるでしょう。収入が不安定な方やライフスタイルが審査に引っかかるのではないかと不安に思っている方でも申し込みがしやすい物件です。

家具家電付き

新生活に必要な家具家電を買いそろえるのは意外に面倒ですよね。置き場所の大きさを測り、搬入経路のチェックなど事前準備が必要に。ただ欲しいものを買えば良いというわけにはいきません。持っている家具家電が新しい部屋に運び込めるのか、不自由なく使えるだけのスペースがあるのかといった確認も欠かせません。

マンスリーマンションの場合は、すでに家具家電が付いているので大きさや搬入経路のチェックは不要です。長期間住む場合、気になるのは故障したときの対応ではないでしょうか。もし故障した場合は、管理会社に連絡すると修理や交換の手続きをしてもらえますよ。自分でメーカーや家電量販店に問い合わせる手間がありません。ただし、交換や修理には別途費用が発生する可能性も。故障時の対応については、入居前に確認しておきましょう。

ライフラインの手続きが不要

ガスや水道、電気といったライフラインは、マンスリーマンションは手続き不要で入居したその日から利用できます。通常の賃貸物件では、入居日に合わせて自分で開栓や開通の手続きをするものです。ガスの開栓はきちんと問題なく火がつくのかを確認するため、立ち会いが必要に。引っ越したばかりで慌ただしい中で、暮らすための手続きをするのは大きな負担ですよね。

テレワークやオンライン学習、動画視聴などインターネット環境もお部屋に欠かせないライフラインです。マンスリーマンションのお部屋は、インターネット環境の整ったところが多くあります。「Wi-Fi無料」や「インターネット無料」などの記載があるかをぜひチェックしてみましょう。契約したり工事をしたりなどの通常の賃貸物件では発生する手間が、マンスリーマンションでは起きないのは嬉しいですね。

退去するときも身軽

長く住み続けていても退去する日はやってきますよね。マンスリーマンションの家具家電はその部屋に備え付けのものなので、大掛かりな引っ越しは不要です。退去時には、自分の荷物だけ運び出すだけで終えられます。業者を使わずに自分一人で引っ越しも可能でしょう。身軽に引っ越しができるのもマンスリーマンションならではの魅力です。「次の新生活」を考えた暮らし方ができる住まいと言えるでしょう。

マンスリーマンション暮らしを続けるデメリット

マンスリーマンションは、ライフラインの手続き不要や家具家電完備で、入居までの負担の軽さが魅力ですよね。メリットだけでなくマイナス面の把握もしたうえで、「長く暮らす場所としてマンスリーマンションを選ぶのか」を検討するようにしてください。

住民票の異動不可

引っ越しをしたら必ずおこなう住民票の異動が、マンスリーマンション暮らしではできません。通常の賃貸物件は「住むための場所」。一方でマンスリーマンションは「一時的に借りている場所」として扱われます。一時的な住まいには、住民票は異動できないのです。

住民票の異動はできなくても郵便物の配達をマンスリーマンション宛に変更するのは可能です。新しい住所を記載した転送届を郵便局に出すだけで手続きができますよ。住民票が異動できないことで困ることといえば、免許の更新が挙げられます。免許更新のタイミングで住民票のある自治体へ戻り手続きをする必要があるでしょう。

ただし1年以上の長い期間にわたりマンスリーマンションに暮らす場合は、管理会社によっては住民票の異動ができるかもしれません。「マンスリーマンション=異動ができない」と最初から諦めてしまわずに、長期で住む場合は相談してみることをおすすめします。

1ヶ月あたりで考えると割高

マンスリーマンションに長く住めば住むほど、通常の賃貸より費用がかかります。敷金や礼金は不要ですが最初に一括で支払うシステムです。そのため、1ヶ月あたりの料金として考えると割高に感じるかもしれません。

住む期間を1ヶ月と1年の2つのパターンで料金シミュレーションをしてみました。通常の賃貸とマンスリーマンションではどれくらい差が出るのかを見てみましょう。

【1ヶ月での比較:一例】

通常の賃貸 マンスリーマンション
敷金・礼金(それぞれ家賃1か月分) 16万円
家賃(管理費込み) 8.2万円 13万円
水道光熱費 0.8万円
インターネット費 0.3万円
家具家電購入費 30万円
清掃費 2万円
合計 55.3万円 15.5万円

【1年間での比較:一例】

通常の賃貸 マンスリーマンション
敷金・礼金(それぞれ家賃1か月分) 16万円
家賃(管理費込み) 98.4万円 156万円
水道光熱費 0.8万円
インターネット費 3.6万円
家具家電購入費 30万円
清掃費 2万円
合計 157.6万円 158万円

1年間にかかる費用の差はあまりないように見えるかもしれません。しかし、通常の賃貸物件で支払う敷金・礼金や家具家電購入費は最初だけに発生するもの。同じエリア内、似たような間取りでもマンスリーマンションは家具家電がそろっている分、少し家賃が高めになる傾向です。今回のシミュレーションで毎月発生する項目だけを見ると、マンスリーマンションは1ヶ月あたり4〜5万程度多く支払っています。

日頃から節水節電を意識して生活している方は、水道光熱費が組み込まれた家賃に損をしているように感じるかもしれません。使用量にかかわらず1日あたり500円〜800円程度加算されるケースもあります。マンスリーマンションは敷金礼金がかからないので、短期間だけ住むならお得に住めることがわかりますね。

マンスリーマンションをお得に住み続ける方法

マンスリーマンションに少しでもお得に住み続ける方法を2つご紹介します。ここでご紹介する方法を活用して、快適なマンスリーマンション暮らしを始めてみませんか。

割引キャンペーン

長期で住むと割高感を感じるマンスリーマンションの家賃も、割引キャンペーンを活用するとお得にできます。マンスリーマンションを管理する会社では、利用者が少ない閑散期に家賃の割引キャンペーンを実施していることも。お得なキャンペーンがないか、こまめにホームページをチェックしてみましょう。長期滞在割引を実施している場合もあるので、キャンペーンを活用して長く住み続ける計画を立てるのも良いですね。

サブスクプラン

動画配信サイトや食材の定期購入など、さまざまなジャンルで「サブスクリプションサービス」が展開されていますよね。毎月決まった金額を支払うので「お得感がある」として、活用している方も多いのではないでしょうか。

実は、マンスリーマンションにもサブスクリプションサービスがあります。マンスリーマンションの「サブスクプラン」とは、決められた物件を月ごとに変えられるといった内容のもの。サブスクプランを活用して住めるエリアは限定されるデメリットがあります。しかし、マンスリーマンションを住み替えし続けるよりは家賃が抑えられる点は大きなメリットです。

マンスリーマンション暮らしは、利便性と費用のバランスが大切

マンスリーマンションに長期で住むと、通常の賃貸物件より支払いが割高になる傾向です。しかしマンスリーマンションは、入居手続きの負担が軽く家具家電を自分で買いそろえる必要がありません。退去時には自分の荷物だけを持って出るだけなので移動が楽にできる利便性が魅力です。ライフラインを自分で開通開栓する手間がなく、新生活を始める際の負担を大きく軽減してくれます。

「長期で住むならマンスリーマンションも良いかも!」

そう考えたときは、まずはきちんとシミュレーションしましょう。通常の賃貸物件と比較して敷金礼金や毎月の家賃、家具家電の購入と設置など、入念に確認することをおすすめします。住んでから後悔しないためにも、細かなチェックは必要なことです。しっかりと確認したうえで自分にとって良い暮らし方を選んでくださいね。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。