「審査なし」の賃貸はある?通りやすくするコツは?不動産業界の実態を解説。

賃貸物件を借りる前の審査に、ドキドキしていませんか?

「収入が少ないから、落とされるのかな・・・」
「個人事業主だと、審査に不利?」

収入面や自分の働き方などから、賃貸物件の審査への不安を抱える方もいることでしょう。

今回は、「審査なし」で入居できる物件についてご紹介します。審査結果が心配に思う方は、マンスリーマンションを検討してみませんか。マンスリーマンションをすすめる理由も解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

賃貸物件での「審査」とは?

まずは、賃貸物件を借りる前に実施される「審査」について、詳しく見ていきましょう。目的やチェック項目がわかると、抱えていた不安が解消できるかもしれませんよ。

審査する目的

賃貸物件で入居希望者に対しおこなう審査は、大家さんがさまざまなリスクを避けるために実施されます。大家さんが抱える主なリスクとして、家賃滞納と近隣住民とのトラブルが挙げられるでしょう。

賃貸物件は、大家さんの大切な資産ですよね。そのため「入居希望者は、本当に安心して部屋を貸し出しても良い人なのか?」のチェックが大切なのです。もし審査をせずに貸し出すと、どのような人が入居するのかが把握できません。ルールを守らずにトラブルを起こしたり家賃を滞納したり。大家さんにとって望ましくない人が、入居する恐れがあります。

審査があるおかげで、入居者も安心して暮らせる環境がキープできていることも知っておきましょう。近隣住民とトラブルを起こしそうと判断された人は、審査で落とされます。そのため、一定の質を保った生活環境が維持できるのです。

審査でチェックされる内容

落とされる可能性もある審査と聞いて、「自分は大丈夫なのだろうか」と不安に思う方もいることでしょう。実は審査といっても、法律のように厳格な規定が定められているものではありません。過剰に不安を抱える必要はないので、安心してくださいね。審査ではどのような項目が見られているのかをご紹介します。

大家さんとしては、「家賃をきちんと滞納せずに払えるのか」をしっかり把握しておきたいところ。入居希望者の支払い能力を見るため、年収・勤続年数・家族構成・連帯保証人などを申込書や本人確認書類でチェックします。年収に対して常識の範囲内の家賃バランスなら、特に問題ありません。たとえば、「月収20万円で家賃15万円の物件を選ぶ」のようなことをしなければ良いでしょう。

個人事業主の方は、確定申告書の控えを用意してくださいね。提出を求められるところが多く見受けられます。もし開業1年目で「確定申告をしたことがない」という方は、銀行口座の控えがあると良いでしょう。安定した収入が得られていることの証明ができますよ。

審査にかかる平均日数

審査には通常、3〜7日程度の日数がかかります。そのため、申し込んで即日入居は難しいことを把握しておきましょう。通常は1週間程度で終える審査ですが、時間がかかる場合もあります。たとえば、申込書や本人確認書類など提出した書類に不備があるケース。記入漏れや未提出の書類が判明すると、すべてそろうまで審査はストップします。提出前には、記入漏れがないか、必要書類はそろっているのかをしっかり確認しましょう。

賃貸物件の契約で保証人や連帯保証人を記入すると、審査では緊急連絡先として機能するのかをチェック。保証人や連帯保証人に連絡の取れない期間が長引くと、審査に日数がかかります。

審査がない物件はある?

賃貸物件の契約前におこなわれる審査。厳格な基準がないとはいえ、やはり不安に思い「審査がないところを選びたい」と考える方もいることでしょう。ここでは、審査がない物件は存在するのかについてご紹介します。

「保証人なし=審査なし」ではない

情報をチェックしていると、「保証人なし」と記載された物件に出会うことがあります。ただし、「保証人なし=審査がない」と捉えるのは間違いです。申込時に保証人の記入が要らないだけで、審査をしないというわけではありません。

不動産会社が独自の基準を設けていたり、審査があったとしても通りやすかったりする物件を「審査なし」と表現しているケースはあります。審査に落ちる不安は、たしかに避けたいものですよね。

では「もし本当に審査なしの物件があったとしたら・・・」を想像してみてください。近隣住民がどんな人なのか不安になりませんか。トラブルメーカーのような人が住んでいるかもしれません。きちんと入居希望者をチェックしているからこそ、「秩序の保たれた生活ができる」と前向きに捉えてみましょう。

保証人は何のために必要?

申込時に求められる連帯保証人や保証人は、何のために必要なのでしょうか。それは、入居者の家賃滞納リスクを大家さんが避けるためです。もし家賃滞納があったときは連帯保証人や保証人へ連絡後、代理で支払ってもらいます。

連帯保証人と保証人は、似ているようで少し違う点を把握しておきましょう。

  • 連帯保証人:抗弁権なし
  • 保証人:抗弁権あり

家賃滞納が発生し、未払い分の支払いを家主から求められたときに「まずは契約者に請求してから!」と言えるかどうかが異なります。連帯保証人は、抗弁権がないため未払い分の清算を求められたら必ず支払わなくてはいけません。保証人にも未払い分を支払う責任はありますが、申し立てをする権利があります。

大家さんの立場からすると、家賃滞納リスクにしっかりと対応できるのは「連帯保証人」ですよね。そのため、保証人よりも連帯保証人を求めるケースが多いでしょう。

連帯保証人や保証人は、家賃滞納リスク以外の備えにもなる存在です。たとえば入居者の身に何らかのトラブルが起き、誰かに連絡が必要な事態も起きるかもしれません。そのようなときに備えて、緊急連絡先として連帯保証人や保証人の記入を求めるのです。

審査が通らなかったときの対処法

審査は大丈夫だと思っていても、何らかの理由で通らないことも。ここでは、審査に落ちる理由や対処法をご紹介します。対策ができれば、住みたい部屋に入居ができるかもしれません。

審査に落ちた理由とは

審査に落ちる理由は大きく分けて3つあります。まずは、家賃の支払い能力が低いと判断されたケース。家賃の相場は、収入の2割〜3割程度と言われています。収入に比べて高すぎる物件を選んでいないでしょうか。

連帯保証人が原因で落ちる場合もあります。審査は、連帯保証人と連絡が取れないと進みません。連帯保証人になるのを嫌がったり、そもそも連帯保証人の収入が不安定だったりなどがあると審査に通らないことがあります。

意外な盲点と言えるのが、不動産会社への態度です。横柄な態度で接していると、不動産会社からの印象は良くありません。入居後にもトラブルを起こす要注意人物と見なされ、審査に通りにくくなっている可能性があります。

審査に落ちたときの対処法

審査に落ちたときの対処法を3つご紹介します。「審査に落ちたけれど、どうしても今の住まいから引っ越したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

家賃の支払い能力を不安視されて落とされたケースは、物件を選び直した方が良いでしょう。家賃の負担が少しでも軽いところを選び、支払いが滞らずにできることをアピールしましょう。

連帯保証人が原因で審査に落ちた場合。事前に話をして、連帯保証人を快く引き受けてくれる人にお願いをしましょう。安定した収入を得ている人を連帯保証人としてお願いする方法も有効です。そもそも連帯保証人を使わない方法もあります。保証人代行サービスを活用すれば、連帯保証人や保証人を準備する手間がありません。

保証会社の基準を満たしていないために落ちることがあります。再審査を受ける際には、保証会社の系列に着目しましょう。審査をおこなう保証会社は、3つのグループにわけられます。

  • 信販系保証会社(CIC)
  • 全国賃貸保証業協会(LICC)
  • 賃貸保証機構(LGO)

不動産会社を変えても同じ系列の保証会社で審査を受けていては、結果は同じです。異なる系列の保証会社を利用してください。契約者名を変える方法もあります。夫婦の場合は、夫名義での審査に落ちたときには、妻名義に変更して受ける方法を試してみても良いでしょう。

そもそも審査に落ちないためにできること

審査に落ちたときの対処法をご紹介しましたが、そもそも落ちないためにできることを知りたい方が多いのではないでしょうか。ここでは、審査に通りやすくするためのポイントを4つご紹介します。

高すぎる家賃の物件を選ばない

家賃が高すぎる物件を選ばないようにしましょう。支払い能力が不安視されると、審査に落ちる可能性が高まります。家賃は1回だけ支払うものではありませんよね。長く払っても、家計の負担にならない家賃を選ぶことがとても大切です。

しかし「どうしてもこれだけの広さはほしい」というような譲れない条件もあるもの。物件の選択肢を広げるため、郊外エリアを探したり築年数や駅までの距離などの条件に優先順位を付けたりすると良いでしょう。同じ広さの間取りでも、条件を考え直すことでお得に住める部屋が見つかるかもしれません。

連帯保証人を吟味する

連帯保証人も「誰でも良いから」と選んでいませんか。事前に話をして「連帯保証人になってほしい」旨を伝え、協力的な人を選んでくださいね。前もって話をしておくことで、入居審査時に連帯保証人への連絡も取りやすくなるでしょう。

連帯保証人は、安定した収入のある親族がおすすめです。連帯保証人は、家賃滞納の際に清算する義務があります。きちんと連帯保証人としての役割を担えるよう、安定した収入は大切です。

申込書に嘘を書かない

申込書に嘘を記載するもの止めましょう。勤務先や年収など、見栄を張りたくなる項目もあるでしょう。しかし嘘を書くと、後々になって発覚したときの印象がとても悪くなってしまいます。

嘘ではなくても隠し事も良くありません。同居人がいるのに言わなかったり、ペットがいることを伝えていなかったり。自分の現状を隠さずに、正直に話しましょう。嘘を付いたり隠し事をしたりなどをしなくても、きちんと伝えると不動産会社も親身に対応するはずです。

不動産会社と誠実なやりとりをする

不動産会社のスタッフとのやりとりは、誠実な態度で接してください。不動産会社とのやり取りをする場面はいくつもあります。たとえば気になる物件を見つけて、問い合わせをするとき。内見や申込書を記入するときなど、さまざまなタイミングで不動産会社のスタッフと接しますよね。このときの態度が意外に見られているものです。

「自分は客だ」と言わんばかりの横柄な態度を取る方もいますよね。相手への配慮がなければ、大家さんに不動産会社が提出する「入居資格に関する書類」に影響する可能性も。下手に出る必要なありませんが、誠実さを忘れないようにしましょう。

審査が不安なときはマンスリーマンションの利用を検討

対策を取っても、それでも審査が不安という方もいることでしょう。通常の賃貸物件ではなく、マンスリーマンションを検討してみませんか。マンスリーマンションをおすすめする理由をご紹介します。

マンスリーマンションの審査が「通りやすい」理由

マンスリーマンションは、通常の賃貸物件より審査が「通りやすい」と言われています。大家さんから借りて住むのは同じなのに、なぜ通りやすいのでしょうか。その理由は、マンスリーマンションならではのシステムが関連しているからです。

通常の賃貸物件は1年契約だとしても、入居者が退去希望を出さない限り、自動更新でそのまま住み続けられます。一方でマンスリーマンションは1ヶ月や2ヶ月のように、期間が短い契約がほとんど。1年を超える契約をする方もいますが、居住期間に定めがあります。つまり契約期間が終わると、必ず退去するシステムがマンスリーマンションです。もし何らかのトラブルを起こす人だとしても契約期間が終われば、退去してもらえます。

家賃滞納のリスクがないのも審査が通りやすい理由の1つです。入居期間中の料金は前金制のシステム。事前に支払うため、無職や年収が低くても入金できる人なら審査に通りやすいのです。

マンスリーマンション申し込みには保証人が基本的に不要です。まれに必要なケースもありますが、保証人がいない場合は保証人代行サービスや家賃のクレジットカード払いの利用で、保証人がいないことをカバーができます。

必要な書類が少なく、手続きが簡素

必要な書類が少なく、入居手続きが簡素に済ませられる点もマンスリーマンションをおすすめする理由です。必要な書類には、運転免許証や保険証などの本人確認ができるものあれば良いでしょう。書類を用意する負担が軽く、申し込みがしやすい点は大きな魅力ではないでしょうか。通常の賃貸なら1週間ほどかかる審査も、スピーディーに終えられます。お部屋探しから入居までが、数日しかかからないケースも珍しくありません。

マンスリーマンションは簡単な手続きでスピーディー

マンスリーマンションは、「住みたい」と思い立ったらすぐに新生活がスタートできます。入居審査は、通常の賃貸物件ほどは厳しくはありません。収入面や勤務先などが原因で、審査を受けるのが心配だという方は、マンスリーマンションを検討してみませんか。本人確認ができる書類は必須ですが、申込手続きは手軽。お部屋探しから入居まで2日で終わるケースもあり、スピーディーです。

室内には生活に必要な家具家電がそろっているため、自分で買う手間がありません。引っ越し作業も、カバン1つで済ませられるでしょう。高速の光インターネット回線が無料で使い放題のお部屋もあります。自分で開通手続きをしなくても電気やガスも使えるのは、マンスリーマンションの嬉しいポイントですね。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。