「レンタルマンション」とは?ウィークリー・マンスリーマンションとの違いを解説。

「期間限定で住む部屋を探したい」

「マンションの部屋を短期間だけ借りよう」

通常の賃貸物件では、1ヶ月前後の短い期間の契約は難しいものです。短期契約が可能な物件を探す際に「レンタルマンション」と入力して探す方もいることでしょう。しかし「レンタルマンション」で探しても、表示されるのはウィークリー・マンスリーマンションのページばかり。あれ?ちょっと求めてるものと違うかも・・・、と自信がなくなった方はいませんか?

この記事では、レンタルマンションをお探しの方向けに、ウィークリー・マンスリーマンションの違いをご紹介します。似たような生活スタイルの1つとして、ホテル暮らしという選択肢もあります。料金面で負担額はどれくらい異なるのでしょうか。料金システムや滞在期間によって、お得に住めるお部屋は違うものです。自分にとってベストだと思う選択をするのに、ぜひ役立ててくださいね。

「レンタルマンション」とは?

実は「レンタルマンション」は造語で、賃貸物件を扱う業界では使用しないワードです。通常の方がイメージする「レンタルマンション」は、業界ではどのように呼ばれているのかをご紹介します。なぜ「レンタルマンション」という単語が生まれたのか、その背景も考えてみましょう。

レンタルマンションとウイークリーマンション&マンスリーマンションは基本同じ。

レンタルマンションは、「ウィークリーマンション」「マンスリーマンション」と同じ意味を持っています。どちらも家具家電がすでに室内にそろえられた、短期賃貸マンションのことを指します。

通常の賃貸物件が1年以上の契約を想定しているのとは異なる住まいです。ウィークリー・マンスリーマンションは、長期出張やお試しで一人暮らしをしたいときなどの用途で使われることが多く見受けられます。

賃貸物件を扱う業界では、短期間の契約に特化したマンションを「レンタルマンション」とは呼びません。通常使われない用語のため、インターネットの検索画面に「レンタルマンション」と入力しても、殆ど結果に現れないのです。レンタルマンションは、一部の一般の方が使う造語だと考えられます。

なぜ、「レンタルマンション」というワードが生まれた?

では業界では使わない「レンタルマンション」というワードがなぜ生まれたのでしょうか。新型コロナウイルス蔓延の影響で、多くの会社がテレワークを推進しました。学校でもオンライン学習が浸透。わざわざ会社や学校に出向かなくても仕事や勉強ができる社会になりました。

自宅では、インターネット環境の不安定さや音漏れが気になり、テレワークやオンライン学習に集中できないケースも。そのような悩みを解消するため、「レンタルオフィス」「レンタルルーム」「レンタルスペース」などで作業する姿もよく見かけるようになりました。自分が作業しやすい場所を見つけるために、「レンタル◯◯」のワードで検索した方も多いかもしれません。

「レンタル+◯◯」の表現は様々な分野で広く使われています。そのため「一時的な用途で借りるマンション=レンタルマンション」として、家具付きのマンションを連想する方が多いのでしょう。

ウィークリーマンションとマンスリーマンションは何が違う?

さてレンタルマンションの業界内での呼び方は、「ウィークリーマンション」や「マンスリーマンション」です。同じ様な名前のふたつですが、一体何が異なるのでしょうか。実は、どちらのマンションも本質的には同じです。契約者が利用する「期間」によって呼び方が変わっているだけなのです。呼び名の変わる節目は1ヶ月利用が目安となります。

契約期間 マンションの呼び名
1ヶ月未満 ウィークリーマンション
1ヶ月以上 マンスリーマンション

ウィークリーマンション呼ばれている物件も「30日以上の利用が不可」というわけではないので、安心してください。多くの場合、ウィークリーマンションでも1ヶ月以上の利用は可能です。

会社から見れば、2つのマンションのシステムに違いはありません。利用期間は、12日や34日のようにウィークリー・マンスリーマンションのどちらでも1日単位で細かく設定可能です。日にちの調整がしやすいため、まとめてデイリーマンションと呼ばれることもあります。

ウィークリーマンション契約前に知っておきたい消費税のこと

ここでは、ウィークリーマンション契約前に知っておきたい消費税についてご紹介します。消費税は物を買ったりサービスを受けたり、毎日の暮らしで切っても切り離せない税金です。家賃に消費税がかかるのか、かからないのかを学んでいきましょう。

1カ月未満の居住契約は消費税の課税対象

1ヶ月未満の滞在を契約した場合、家賃に消費税がかかります。一方で1ヶ月以上の利用の場合、消費税が非課税です。消費税課税対象の家賃について表にまとめました。

滞在期間 消費税の加算 消費税法上の扱い
1ヶ月未満 加算対象 一時使用
1ヶ月以上 非課税 住宅の貸付

1ヶ月未満の滞在では「一時的に借りている」とみなされるため消費税が発生します。1ヶ月以上の契約になると、「住む」部屋を借りているため非課税対象に。通常の賃貸物件でも消費税が発生しないのは、「住むための部屋」を長期間借りているからなのです。

ウィークリーマンションは、居住期間が1ヶ月未満の契約が殆どでしょう。1日あたりの賃料は、マンスリーマンションより高めの傾向です。さらに消費税もプラスされるため、割高に感じる料金体系になります。1日あたりの差はごくわずかでも滞在期間が延びれば、負担に感じるでしょう。

マンスリーマンションでの契約はすべて非課税?

ではマンスリーマンションで契約した場合は、すべて非課税なのでしょうか。実は「マンスリーマンション=非課税」とは言い切れないため、注意が必要です。契約内容や会社のシステムにより、消費税を加算することがあります。

1ヶ月で契約していても諸事情により、1ヶ月未満で退去した場合を考えてみましょう。マンスリーマンションの契約では、事前に滞在期間分の家賃や諸費用を全額前払するのが一般的です。契約期間より短く退去したときは、家賃の返金システムがあるかどうかがポイントです。

また、契約時点での滞在期間も消費税課税と非課税の分かれ目に。

契約時の滞在期間 消費税の扱い
1ヶ月以上 非課税
1ヶ月未満 課税

このことから、消費税課税対象を見分けるポイントは2つといえます。

  • 会社の返金システムの有無
  • マンスリーマンションの契約時に想定している利用期間

ウィークリーマンション=課税、マンスリーマンション=非課税と分けずに、滞在期間で判断しましょう。滞在期間が1ヶ月未満かそれ以上になるのかはっきりしないときは、返金システムも確認してください。1ヶ月未満の滞在期間でも、場合によっては、1ヶ月契約をしたほうがお得になる可能性もあります。

ホテル暮らしも消費税の課税対象

ウィークリー・マンスリーマンションで滞在を検討する際に、候補としてホテルを挙げる方もいることでしょう。ホテル暮らしには消費税がかかります。ホテルは旅館業法に基づいて運営されている宿泊施設です。「住居」ではありません。そのため、1ヶ月以上の長期滞在プランでも課税対象の扱いに。またホテル暮らしは、エリアによっては消費税以外の税金が発生するケースもあるので、注意しましょう。

東京や大阪など一部の地域ではホテルに宿泊すると、「宿泊税」が加算されます。宿泊するだけでかかったり料金別に加算額が変動したりなど地域よりさまざまです。もちろん、宿泊税がないところもあります。

ホテル暮らしは、駅や観光地に近かったり清掃サービスで掃除の手間が省けたりといったメリットが魅力です。しかし1ヶ月以上住んでも非課税にはならないため、お部屋選びの際には、しっかりとした検討が必要でしょう。

ウィークリーからマンスリーへプラン変更後の消費税は?

1ヶ月未満の予定だったからウィークリーマンションで契約していても、何らかの事情で延長することも起きるかもしれませんよね。ウィークリープランからマンスリープランへ切り替えた際に、消費税の扱いがどうなるのでしょうか。

ウィークリーマンションを契約する前に、期間を延長した場合の消費税については確認しておくことをおすすめします。最初に契約した期間から「延長=更新」という形なら、消費税はかかりません。

しかし多くの場合は「延長=再申し込み」となるので注意が必要です。再度申し込みの手続きをするため、1ヶ月以上滞在しても、書類上は1ヶ月未満とみなされます。そのような扱いをされると消費税は加算されてしまうので、「更新」よりも多く支払いが発生。損をした感覚を持ちますよね。

「滞在は1ヶ月未満になるかもしれないが、延長して1ヶ月以上になる可能性の方が高い・・・」そのようなときは、最初からマンスリープランで契約しておくと、消費税分がお得になるかもしれません。消費税の取り扱いにプラスして、「延長する場合はいつまでに申し出が必要なのか」「マンスリ―プランにしておいて短縮する場合は、違約金はどうなるか」などについても確認しておくのが無難です。

またウィークリー・マンスリーマンションの性質上、次の入居者が決まっている可能性も。同じ部屋に住み続けられない可能性も念頭に置いておきましょう。

ホテルで長期生活する場合は、外食費や洗濯の苦労なども考慮すべき。

同じ金額でも住みやすさを考えると、ウィークリーマンションよりマンスリーマンションがおすすめです。一般的にコスパはマンスリーマンションの方が良いので、ステキなお部屋に出会える可能性が高まりますよ。

マンスリーマンションでは1ヶ月未満の滞在では料金が日割り計算されないこともあります。その場合は非課税で滞在できる特性を生かして、最低契約期間が30日でも日数によっては、お得に住むことが可能です。

ホテルは宿泊費だけで見ると安く見えるかもしれません。しかしキッチンやお風呂、洗濯機がないため、生活をするには日々お金がかかります。その点も考慮するとホテル暮らしは、コストがかかると言えるでしょう。マンスリーマンションは、キッチンやお風呂があり非課税。ホテルよりお得に住める暮らし方です。

1ヶ月以上住むなら、マンスリーマンションがおすすめ

レンタルマンションと検索されることもある賃貸物件は、家具家電付きのウィークリー・マンスリーマンションを示しています。ウィークリーマンションとマンスリーマンションの大きな違いは、契約期間です。一般的に、1ヶ月未満がウィークリーマンション、1ヶ月以上マンスリーマンションと分けています。

ホテル暮らしや1ヶ月未満の滞在には、消費税が発生します。ウィークリーマンションで1ヶ月未満の契約から1ヶ月以上に延長した場合、「再申し込み」扱いとなるケースも。再申し込みでは、1ヶ月以上住んでも消費税が加算されてしまいます。

1ヶ月以上住むことが事前にわかっているなら、マンスリーマンションを選びませんか。マンスリーマンションは、消費税がかからないためお得に住める物件です。家具家電が揃っているので、少ない荷物で楽に入居可能。またホテルとは異なり、キッチンや洗濯機があるので自分のタイミングで家事が進められますよ。

この記事を書いた人

澤田なつ/Webライター

2016年2月までCADオペレーターとして自動車部品の図面作成をしていました。2019年からフリーランスのWebライターとして活動しています。
執筆するときは「読者が知りたいことに寄り添える内容になっているか?」を意識しています。資格は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士と簿記3級、図書館司書を持っています。
小学生の娘が2人います。趣味は裁縫で、娘たちが好きなアニメのコスプレ衣装を作ることが好きです。
着付け師範の資格を2012年に取得しており、講師経験もあります。最近では着付けの様子を動画で撮って、Instagramに投稿することにはまっています。