【初心者向け】「マンスリーマンション」を詳しく解説

新しい場所に住もうと考えたとき、一般的な賃貸物件のほかにも「マンスリーマンション」という選択肢があります。しかし言葉は知っていてもそれが何なのか、どういうメリットがあるのか、ご存じではない方も多いのではないでしょうか。 ひとつひとつポイントを整理して説明します。5分ほどお付き合いください。

マンスリーマンションと一般賃貸の違い

マンスリーマンションは、「すぐに住める賃貸」

まず初めにマンスリーマンションと一般賃貸の違いからお話しします。一言でいえば、マンスリーマンションは「すぐに住める賃貸」です。

一般的な賃貸の場合、
  • 家具、家電の選定、購入、組み立て・運搬
  • 生活に必要な備品の買い出し
  • 電気、水道、インターネットなどの選定、契約手続き

などを全て自分で行う必要があります。

一度でも引っ越しをされた方なら分かると思いますが、これは非常に時間も神経も費やす作業です。

「悩むだけで一日終わってしまった…」「引越し業者のコールセンターが全然つながらず、その日は何もやる気がなくなってしまった…」なんて経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかも、これらの作業は何度やってもスムーズにいくということはありません。数年単位で行うことなので、前にやった手順も忘れてしまいますし、新しいサービスも次々生まれています。

これに対しマンスリーマンションは、
  • ベッド、机、テレビ、洗濯機など、家具家電が揃っている
  • 入浴用品、調理道具、トイレットペーパーなど、生活用品も揃っている
  • 電気、水道、インターネットなど、基本的なインフラは全て契約済み

などにより引っ越しに伴う問題を全てスキップすることができます。スーツケース一つで引っ越しできる存在。まさに時間を買える賃貸、といえるでしょう。

マンスリーマンションとウィークリーマンションの違い

違いは「利用期間」。料金は少し割高。

次にマンスリーマンションと似た存在で、「ウィークリーマンション」があります。むしろ一般的な知名度はこちらが上かもしれません。

利用方法によっては「ウィークリーマンション」の方が便利なケースも多いので、こちらとの違いもご説明します。簡単にいうなら、この二つの違いは名前が示す通り「利用期間」の違いです。

  • マンスリーマンション:1ヶ月以上の利用で使われる場合
  • ウィークリーマンション:1週間~1ヶ月未満の利用で使われる場合

つまり同じマンションでも、マンスリーのプランがあればウィークリーのプランもある場合があります。 契約期間が短い分、基本的にはウィークリーの方が賃料は割高です。

ウィークリーマンションは消費税がかかる?

また扱う法律が異なるため、サイト内の料金に対し

  • マンスリーマンション:非課税(消費税がかからない)
  • ウィークリーマンション:課税(消費税がかかる)

点にも注意が必要です。

一か月前後の利用になりそうなら、金額差をしっかり確認してから契約するのが良いでしょう。

マンスリーマンションとビジネスホテルの違い

さらに出張や研修などの滞在先として候補に挙がりやすい、ビジネスホテルとの違いについても抑えておきましょう。

新しい働き方の増加で長期滞在プランも。

ホテルといえば、利用はせいぜい数日というイメージの方も多いと思いますが、中には1ヶ月以上の長期滞在プランが用意されているホテルもあります。

コロナ禍でテレワークを導入する企業が増え、ワーケーションなど新しい働き方が注目されたこともあり、ホテルに長期滞在する人も増えているようです。

コストはマンスリーマンションより割高。

マンスリーマンションと比べた場合、ホテルのデメリットとしては、

  • 基本的にマンスリーマンションよりコストが高い(立地が同条件の場合)
  • 部屋が狭い、来客を呼べない
  • 自炊ができない
  • 部屋で洗濯ができない(ランドリーやクリーニングサービスはある)
  • などが挙げられます。

逆にメリットとしては、

  • 申し込み時に審査がない
  • 部屋の掃除を自分でしなくて良い
  • ルームサービス、ホテルの施設などが利用できる

などでしょうか。

実際に比較する際は、コスト的には基本割高というのを念頭に、これらのメリット、デメリットを含めて、自分にどちらが合うか決めるのが良いでしょう。

マンスリーマンションのメリット

マンスリーマンションには、契約手続きや引越し作業の短縮だけでなく、ほかにも様々なメリットがあります。順に紹介していきましょう。

敷金、礼金、仲介手数料が基本無料。

多くのマンスリーマンションは、敷金、礼金、仲介手数料が「無料」に設定されています。首都圏での一般的な賃貸の場合、敷金・礼金として賃料の1ヶ月~2ヶ月分ずつ、さらに仲介手数料として最大1ヶ月分。つまり、それだけで賃料3~5ヶ月分くらいのコストが発生してしまいます。

一般賃貸と比較する際は、この点も考慮しておきましょう。

気軽に引っ越せるため、「お試し住み」に最適。

必要な家具家電、生活用品も全て揃っており、インフラも整っているため、気軽に引っ越しできるのが、マンスリーマンション最大の魅力です。

特に周辺環境や、隣人トラブル、騒音などについては、内見しただけで分かるものではありません。

一般賃貸で「はずれ」を引いてしまった際、住所変更にかかる手間の多さ、支払い済みの初期費用が再び引っ越しするときの足かせとなります。

仕事をテレワークで行う人が増え、以前よりもはるかに「住む場所」について自由が利く時代が来ています。

最終的に賃貸にするとしても、まずはマンスリーマンションで「お試し住み」をしてその土地を知ることが、これからの主流になるかもしれません。

実際に入居した後でも清掃費だけで部屋を変えられる、まさに「お試し入居」にピッタリなサービスも登場してきています。 部屋探しをするときは、そのようなサービスがあるかどうかも検討材料にしましょう。

審査が通りやすい

また、入居審査の面でもマンスリーマンションにはメリットがあります。

基本的には一般賃貸と同じく申し込み時に審査がありますが、その基準はそれほど厳しくありません。特にフリーランスなど職種的に入居審査に落ちやすい人には安心です。

保証人が必要なケースもありますが、クレジットカードが使えればそれで代わりとなるケースも多いです。

なお審査が厳しくない分、支払いは一括で前払いというケースが多いようです。高額になるため、分割払い、月払いに対応してくれる不動産会社もあるので、念のため申し込み時に相談してみましょう。

マンスリーマンションのデメリット

メリットばかりではなく、マンスリーマンションにはデメリットもあります。

一般賃貸より、賃料が高い

マンスリーマンションの欠点をあげるなら「毎月の賃料は安くない」。この一点に尽きるでしょう。

首都圏の1Kで月15万円前後の物件も多いです。一般賃貸の感覚だと少し高いと思うかもしれません。

しかしながら、敷金、礼金、仲介手数料などが無料のアドバンテージがあるので、

<賃貸・月10万円の物件 3ヶ月利用の場合>
  • 賃貸 初期費用(10万×4ヶ月)+賃料(10万×3ヶ月)= 70万円
  • マンスリーマンション初期費用(5万)+月額費用(15万×3か月)=50万円
※月額費用は、水道光熱費・インターネット代込み

と月々の料金は高くても、トータルではマンスリーマンションの方がお得になります。

マンスリーマンションの場合、家具家電を揃えなくて良いメリットもあり、数か月の利用であればマンスリーマンションの方が有利なケースが殆どでしょう。

半年以上の長期の場合でも、入居から退去まで様々な手間を省略できる、という時間的なメリットを踏まえて、比較するのが良さそうです。

<Point>特別キャンペーンや、限定プランなども要チェック!

さらに一般賃貸と違い、マンスリーマンションは「特別キャンペーン」もよく行われます。月20万円以上する人気物件が半額になることも…。利用するならこれを狙わない手はありません。

以下によくあるキャンペーンをご紹介します。タイミングを狙ってぜひ活用しましょう。

短期スポットキャンペーン

引っ越しシーズン前の年末年始など主に閑散期に行われます。その特性上、 あらかじめ入居期間が決められているケースが多いので、スケジュールを合わせられる場合に利用しましょう。

割引率は比較的高く、時には5割を超えることもあります。初めてマンスリーマンションを利用する方に、特にお勧めしたいキャンペーンです。

長期向け限定プラン

半年以上など長期滞在の場合、割引になるプランです。不動産会社にとって安定した利益が見込めるため、その分、月額料金も割安に設定されています。学生の一人暮らしなど、長期間住むことがほぼ確実なケースで活用できます。

各サイト限定プランとして設定されていることが多いようです。ポータルサイトを見る時は、限定プランの有無も必ずチェックしましょう。

マンスリーマンション 契約前に知っておきたいこと

一口にマンスリーマンションといっても、不動産会社によってルールが異なったり、扱っている物件も違ったりで、それらを全て調べるのは現実的ではありません。

一部の情報だけで思い込まず、契約前に以下の点も抑えておきましょう。

基本は内覧不可。ただし可能な物件も。

マンスリーマンションは一般賃貸と違い「内覧」できないケースが殆どです。理由はなぜでしょうか。マンスリーマンションの契約の流れは一般的に下記のようになっています。

  1. 1、インターネットなどで、物件を探す
  2. 2、物件を決めたら、サイトから問い合わせて「空室確認」する
  3. 3、「空室」であれば、予約・申込みを行う
  4. 4、入居審査後、契約書が送られてくるので、手続きする
  5. 5、契約成立後、鍵を受け取り入居する

通常、内覧したいタイミングは3になります。

しかしマンスリーマンションの場合、「空室」とは希望する入居期間に空きがあるという意味で、「現在、入居者がいない」という意味ではありません。どちらかといえば一般賃貸よりもホテルの空室確認に近いイメージです。

月単位で入居者が入れ替わるマンスリーマンションでは、多くの物件が「入居中」になっています。そのため内覧できないのです。

しかし逆に言えば、清掃なども含めて空室期間に余裕があれば内覧できる可能性はあります。実際に対応している不動産会社もあるので、申し込み時に確認してみてはいかがでしょうか。

マンスリーマンションは女性の利用者も多い

マンスリーマンションの利用者は20~40代が多く、統計的には男女半々の割合です。オートロック、防犯カメラなど、セキュリティが充実した物件や、駅から家まで大通りしかなく治安面で安心な物件も多いです。

引っ越しの力仕事などもなくなるので、むしろ女性に向いたライフスタイルかもしれません。ぜひ候補に入れておきましょう。

ペット可のマンスリーマンションも増加中

決して数は多くありませんが、「ペット可」のマンスリーマンションも増えつつあります。「ペット可」が認められ始めたのがここ数年の話なので綺麗な築浅物件が多いのも特徴

オートロックは勿論、最新のオンライン警備システムなど設備面も充実しています。その点でも女性にお勧めです。

基本的には猫はOK。犬は小型犬のみ。その他のペットは貸主による個々の判断になります。申し込み時に、ペットの写真提出や、別途料金がかかる場合があるので、確認しておきましょう。