【これで解決】コワーキングスペースでのよくある8つのトラブル

コロナ禍で利用者が増加しているコワーキングスペース。これまで利用が多かったとされるフリーランスや起業家などに加え、テレワークが導入された企業勤めの会社員の利用が増えてきています。それに合わせて増加しているのがトラブル。

そこで今回は、コワーキングスペースのよくあるトラブルと対策についてご紹介します。「コワーキングスペースが自分に合っているのか」を検討する上で、参考にしてみてはいかがでしょうか。

コワーキングスペースのよくあるトラブル事例8選

コワーキングスペースでは、異業種や異職種の様々な人たちが同じ空間で仕事をしたり、時に交流を図ったりします。基本的には個人の専用となるものはなく、机からプリンター、文房具までもが共有のものとされていることが殆どです。

他人と共有するものが多いゆえに、発生しやすいのがトラブル。必ずしもトラブルが起こるとは限りませんが、もしもに備えて、どんな事例があるのかあらかじめ把握しておきましょう。

1. 騒がしくて集中できない

そもそもコワーキングスペースは、個人が「仕事や勉強、作業をするスペースを提供する」という役割の他に、「新たなコミュニティやビジネスを生み出す場」という役割も担っています。つまり、利用者間の交流がある場所なのです。したがって、常に誰かが話をしている、という状況も十分あり得ます。

テレワークの導入拡大によって増加した会社員の利用者。その中には、オフィスの自席に居る感覚で、電話をしたりzoomなどを利用して会議を始めたり、という人もいるようです。同僚やビジネスパートナーと一緒に利用して、共有スペースで商談や打ち合わせをしている、という事例もあります。

静かなイメージがあるコワーキングスペースですが、個室や私語厳禁のワークスペースを利用しない限り、「騒がしくて集中できない」ということもあると覚えておきましょう。なお、個室の利用には、多くの場合で追加料金が発生します。

2. 隣席の人の匂いが気になる

香害、スメルハラスメント(スメハラ)という言葉が聞かれる程、最近問題視されているのが「匂い」です。コロナ対策として一定の距離以上、座席が空けられていたり、常時換気が行われていたりする状況下でも、他人の匂いは意外と気になります。

体臭はもとより、香水や洗濯洗剤、柔軟剤など、匂いの元となるものは様々です。カレーやエスニック料理、ハンバーガーなどは、席が離れていても匂いが届いてしまうでしょう。コワーキングスペースの中には、飲食が自由な所もあるため、注意が必要です。

3. 人目が気になる

不特定多数の人が出入りするコワーキングスペースでは、つい人目が気になる、ということもあります。向かい合った座席の場合は、視線が合うような配置になっているケースがあるでしょう。窓際や壁に面した席など、前方からの視線が気にならなくても、後方からの視線が気になって集中できない、ということもあるかもしれません。

4. 空調が効きすぎて体調不良に

コワーキングスペースは基本的に個室ではないため、部屋の温度を自分の好みに合わせて変更することはできません。特に夏場は、空調が効きすぎていることもあります。身体を冷やしすぎて体調を崩してしまうことがないよう、注意しましょう。

5. 照明の配置が悪く、パソコンが見づらい

数あるコワーキングスペースの中には、デザイン性を重視して設計されたものが少なくありません。デザイン性を重視するあまり、照明の配置が悪くてパソコンが見づらい、なんてこともあるでしょう。照明の配置や数、明るさの関係で、全体的に暗い空間となってしまっている所もあります。

6. インターネット回線が遅い

仕事をする際に、インターネット環境の良さは重要です。無料Wi-Fiが完備されているから大丈夫、とは必ずしも言い切れません。高速インターネットが導入されていない、多くの利用者がいるとスピードがダウンしがちな所では、仕事効率も落ちかねません。

7. 盗難にあった

一定時間滞在していれば、その間に電話で離席したりトイレに立ったり、ということは十分あり得ます。その時に専用のロッカーがなければ、パソコンやその他の荷物を放置することになるでしょう。コワーキングスペースでは、個人用のロッカーがない施設も多く、あっても有料であるケースが多いです。

物の盗難だけではなく、画面を覗き見されたり写真を撮られたりした、というデータの盗難事例もあります。大切な顧客情報や秘匿情報を持っている場合は特に、セキュリティ面やプライバシー面での注意が必要です。

8. コミュニケーション疲れ

コワーキングスペースの利用者には、他の利用者との交流を目的として利用している人もいます。そのため、顔見知りである人はもちろんのこと、見知らぬ人からも話しかけられる、ということはよくある話です。

また、運営会社によっては定期的に交流会を設けて利用者間の交流を促進している所もあります。そうした所で知り合った人たちや常連客による、内輪のノリのような雰囲気に溶け込めずに退会する、という人も一定数いるようです。他の利用者との交流は極力避けたい、控えたいという人は、コワーキングスペースの利用に向いていないかもしれません。

コワーキングスペースを利用する、その他のデメリット

コワーキングスペースを利用するデメリットは、利用者間のトラブルや設備の問題以外にもいくつかあります。その中でも、よく聞く3点について確認してみましょう。実際に入会してみたものの「自分には合わなかった」、というミスマッチを防ぐためにも、参考にしてみてください。

二画面や大画面で仕事ができない

仕事柄、二画面(デュアルディスプレイ)や大画面で仕事をするのが適している、または捗るという人には、コワーキングスペースは向いていないとも言えるでしょう。コワーキングスペースでは、基本的に利用者が自分のノートパソコンを持ち込んで仕事をします。デスクトップの貸し出しを行っている所もありますが、有料であることが殆どです。

利用者間の交流が仕事に繋がるケースは限定的

利用者間の交流の場としても使われるコワーキングスペースでは、新たなビジネスが生まれる場所にもなり得ます。しかし、実際に仕事に結びつくケースは限定的でしょう。チャンスはあるものの、ミスマッチも多く発生しています。

一緒に仕事をしたことがない人のスキルやポテンシャルを見極めるのは、なかなか難しいことです。パートナーや取引先を無理に探そうとするよりも、クラウドソーシングを利用したり、営業したりする方が効率的なケースもあります。上手くいかなかった場合は、せっかく気づいた人間関係にひびが入り、「コワーキングスペースそのものに行きづらくなる」ということもあり得るでしょう。

契約だけして利用しなくなるケースが多い

契約はしてみたものの、結局それ程利用せずに退会、というケースも多々あります。自宅の仕事環境を整えたら、問題なく仕事ができるようになった、というパターンも。お金を払ってでもコワーキングスペースを利用するメリットが見出せない場合は、長続きしないでしょう。

コワーキングスペースのトラブルやデメリットへの対策

上記のトラブルやデメリットに対しては、以下のような一定の対策をすることが可能です。工夫さえすれば、仕事がしやすい環境にもなるでしょう。

防音グッズを使用する

他の利用者の声やその他の騒音が気になって集中できないという人は、耳栓やイヤーマフなどの防音グッズを使用してみてはいかがでしょうか。また、周囲の騒音を軽減してくれる、ノイズキャンセリングヘッドフォンの使用もオススメです。ヘッドフォンをしている人にわざわざ話しかけるような人も少ないので、一石二鳥かもしれませんね。

覗き見防止フィルムを使う

パソコンや携帯電話などの画面には、覗き見防止フィルムを取り付けると安心です。フィルムには、画面に直接貼り付ける固定型のものと、留め具を用いたタイプや吸着タイプなど、取り外しが可能なものがあります。フィルムを貼るとどうしても画面が暗くなりがちなので、自宅でもパソコンを使う場合は取り外し可能なものを選ぶと良いでしょう。

ルールや施設の特徴を確認する

コワーキングスペースは、施設ごとにルールやサービス内容、利用者層、混雑具合にバラつきがあります。自分に合ったコワーキングスペースなのか、事前にルールや詳細事項について確認をしておくとミスマッチが軽減されるでしょう。月額プランを利用する前に、時間単位で利用ができる「ドロップイン」で試してみるのもオススメです。

料金が高いプランに変更する

あらゆるトラブルやリスクを避けるために利用料金が高いプランに変更するのも1つの選択肢でしょう。料金が高いプランなら個別のブースが使える場合もあります。さらに、高い金額を支払うことで、コワーキングスペースへ通うモチベーションアップにもなるかもしれません。

また、全体的に高めの料金設定をしている施設は、比較的客層が良いと言えます。したがって、マナーの悪い利用者に遭遇する可能性が減るでしょう。

マンスリーマンションの利用もオススメ

コワーキングスペースの利用を検討している人には、マンスリーマンションの利用もオススメです。マンスリーマンションであれば、周囲の騒音や視線が気になることも、その他のトラブルに遭遇することもありません。インターネット環境が充実している物件も多くあるのが、嬉しいポイントですね。

完全個室で、自宅のように使えるマンスリーマンション。オフィス代わりに使ったり、平日は自宅に帰らずに寝泊りをしたり、実家暮らしの場合は思い切って引っ越してしまうのも良いでしょう。

コワーキングスペースの高い料金プランを選択し、交通費を払いながら時間をかけてそこへ通うことを思えば、マンスリーマンションを借りるのは、時間的にも経済的にも精神的にも良い選択と言えるのではないでしょうか。